【黒バス】赤司家の出来損ない 2nd【高尾和成】【黄瀬涼太】

＊51話 "出来損ない"の存在価値と希望＊ ページ14

偽ることが辛い…？



A「…比べられる方が余程辛いと思うけど」



高尾「ホントにそー思う？
比べられても、Aのことを心から信じてくれるヤツがいんだろ？…まぁ、いわゆる親友だな。
でも、自分を偽って友達を作っても、それは本当の友達じゃない。上辺だけって辛くねーか？」



和成の言ってること、正しいのかもしれない。



確かに…私に親友はいない。



でも…でもね。



A「親にはぶたれるし、クラスメイトには"出来損ない"って馬鹿にされる。
オマケになんでもできる完璧な弟…。
どの道、"出来損ない"の私に親友なんて出来ないの」



高尾「それ、マジで言ってんの？」



A「うん。だって、本当にそうでしょ？」



高尾「じゃあ、俺はどうなるんだよ？
俺は…Aのことを友達だと思ってんのに？
例え"出来損ない"って呼ばれてるAでも、一緒に遊んで楽しかったし、ずっとこのまま時が止まってしまえば良いのにって、思ってたのに？」



A「それは…幼い頃の話で…」



高尾「今も！俺は今でもそう思ってる」



和成の力強い言葉が胸に落ちてくる。



そうだ。私は出来損ないだ。



でも、和成のように…私と一緒にいて楽しかったと言ってくれる人がいる。



黄瀬も…素の私が良いと言ってくれた。



自分の存在価値。



生きる希望。



そういうのが…少しだけ見えた気がした。



高尾「今日のAのマネージャーとしての働きぶりを見てた。
一生懸命してたのが良く分かった。
Aは出来損ないなんかじゃねーって…なんでも努力をするAは誰よりもすげーと思うよ」



私の頭を撫で、和成は微笑む。



高尾「チームメイトも言ってぜ。『相手チームの赤髪の可愛いマネ、指に絆創膏めっちゃあったぞ。相当、料理を作ってたんだな』って。
他にも、『夜、Aちゃんは寝るまでずっと勉強してる』って、桃井だっけ？が言ってたし…」



さつきちゃん、そんなことを和成に言ってたんだ。



確かに、私は人並みにできることがない。



料理も下手だったし、勉強だってできない。



そんな私ができることといえば、頑張ることぐらい。



それを、人に褒められるためにやってるワケじゃない。



でも、見てる人がいてくれると思うとやっぱり嬉しい。

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