Mirror.27 ページ27
・
『え……?』
「は?何かおかしい事言ったかしら」
魔法を使えばと当たり障り無い筈のアドバイスにAは一驚を喫して青ざめる。ヴィルは思わず眉間に皺を寄せた
『知っているだろうと思って自分からは何も言わなかったんですけど……学園長から何も聞いて無い……感じですかね?』
「学園長?何の話?」
先の見えない話に刻む皺が濃くなる。Aは数秒の時間を要して意味を理解すると気まずそうに視線を投げやってから弱々しく声を落とした
『__俺、魔法使えないんですよ』
「……は?」
『第一に、ツイステッドワンダーランドの人間じゃないんです。__俺、元々は魔法の無い世界からここに異世界転移した人間なんです』
ーーーーーー
「学園長!!」
「__おや、ヴィル・シェーンハイト君ではありませんか。珍しく血相変えてどうしました?」
強引に扉を開けてクロウリー学園長が優雅に紅茶を嗜む横でポムフィオーレ寮一年生名簿を机に叩き付ける
「A・レベッカ、16歳。
彼がこの世界の人間で無いとは一体どう言う事なのか説明願います」
一見淡々と落ち着いて述べている様で実はそうでなく、内心混濁した感情をひた隠しに押し留めていた
「__はて?説明願うとは何を指しての事でしょう?」
「言葉の通りです。Aは何者なのか、何故その事実を隠していたのか」
学園長はソーサーにカップを乗せると腕を組み小首を傾げた。何を言っているのだと理解に及ばないと言った風に
「彼が何者であるかは私にも分かりません。それは本人に直接聞いた方が早いでしょう。
__それに、式典式の際私は外せない用事があってこの事を君に直接話せなかった事は悪かったと思います。
ですが何も隠していた訳ではありません。私はポムフィオーレ副寮長のルーク・ハント君にA君の事を君に伝えておくようにと指示していましたからね」
学園長から紡がれるその真実をまるで遅れて表示される字幕を見ている感覚で咀嚼が追いつかないでいる
「……ルークに?」
「えぇ。何も聞いてないですか?」
__聞いてない。
脳内が冷静になってきたところで沸々と湧く感情にまたもやコントロールが効かなくなって憤怒を顕にしたまま頭を下げてから踵を返した
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映国 - パピさん» おコメント嬉しいですありがとうございます……!!パピ様に褒めちぎって頂き光栄でございます。文脈的にも所々おかしなところがあったかと思いますが完結まで読んで頂き感謝しかございません、これからのそのありがたきお言葉を胸に精進して参りたいと思います!! (2021年3月6日 11時) (レス) id: 887c7da550 (このIDを非表示/違反報告)
パピ(プロフ) - 神作品過ぎて…、笑いあり涙ありもう語彙力が溶けるレベルで神作でした! 後半の儚さがもうたまらなく好きです。今更ですけど完結おめでとうございます! お疲れ様でした! (2021年3月2日 19時) (レス) id: cbf5dcb5ea (このIDを非表示/違反報告)
映国 - 美月さん» すみませんレス返せていませんでした!! (2020年9月30日 7時) (レス) id: 887c7da550 (このIDを非表示/違反報告)
映国 - みっ……!?!?美月さん!!!嬉しいですありがとうございます大好きです!!今回はいつもとテイストを変えてみました!!内容の面白さは保証出来ませんがヴィル様愛を書き散らした作品となっております!!楽しんで頂けたら幸いです!!!! (2020年9月30日 6時) (レス) id: 887c7da550 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - 面白そうと思って覗きに来たら……映国さんだったのですね………映国さんの愛するヴィル様の夢小説……じっくり楽しませていただきます………大好きです………(語彙消失) (2020年9月29日 19時) (レス) id: 48104f3cfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:映国 | 作成日時:2020年7月12日 16時