Episode2.*アーサー・カークランド* ページ3
今日も、どこかで誰かが消えた。
昨日は何人が消えたのだっけ。それももう、覚えていないけれど。
日に日に、自分の”子供たち”が消えてゆくのが分かってくる。それは皮肉にも、痛いほどの愛を感じさせられながら。
ーーーどうして”あの子たち”は、消えていかなければならないのだろう。
そんな疑問が、毎日毎日、浮かんでは消えていく。もう何回も思ったことだった。
何回も思ったことなのに、一切答えは浮かばないまま。でも、答えなんてきっとないのだろうと、心のどこかで納得していた。
それよりも、あの隣国のいけ好かない髭や、幼馴染みの苦労人のあいつはどうしているだろう。昔、自分と”友達”になってくれた、あの静かな彼は何をしているだろう。
もう、何ヵ月と会っていない。でも、仕方のないことだった。何せ、自分の”子供たち”がーーー愛すべき、愛しい”国民”たちが、次々に消えていくのだから。
皆、”自分“の、”自国”のことで手一杯なのだ。それは、自分もそうなのだけれど。
「あ」
…まただ。
また、消えた。
ぽつりと、いつもなら出さない間抜けな声を出して、涙を流す。
また消えたのだ。国民が。愛しい愛しい、子供が、一人。
涙が溢れた。もう今日までに何回と泣いたのに、まだ出てくるらしい。
…それが、苦しかった。辛かった。
子供たちは消えるとき、必ずと言っていいほどに自分へ愛を送ってくる。それはもう、綺麗な愛を。
”愛しています、我が祖国。”
”次の世界でも、貴方の元に、必ず行きますから。”
”だからどうか、”
”悲しまないで。”
ーーー…悲しまないで、だなんて。無理に決まっているのに。
先程消えていった、ある国民の言葉を思い出して、また涙を流した。
彼は、何十年か前の、自分の秘書だった男だった。
「う、あっ、ああ”っ…!!」
もう、こんなのこりごりだ。
そう思って、嗚咽を漏らし始めた時。突然、テーブルの上に置いてあったケータイが、バイブレーションをあげる。
ビクリと体を揺らし、ゆっくりとそれに目を向けディスプレイを見ると、そこには。
「…アル、フレッド…？」
ーーー未だに関係に確執が残る、空色の眼を持った彼からの着信だった。
Episode3.*アルフレッド・F・ジョーンズ*→←Episode1.
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創造主@世界領である(プロフ) - *｡チリンﾟ*さん» コメントありがとうございます!!ただいま作者は、コメントしてくれたことに猛烈に歓喜しております…!!不定期ですが、更新頑張りますので、よろしくお願いします!! (2016年6月17日 0時) (
レス) id: c538141f4b (このIDを非表示/違反報告)
*｡チリンﾟ*(プロフ) - 更新頑張って下さい!!応援しています(*´∀｀*) (2016年6月16日 21時) (携帯から) (レス) id: 2d2596df19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：創造主@せかいがわらった。 | 作者ホームページ：お？
作成日時：2016年5月8日 1時
