あなたを守りたいの【芥川龍之介】 (ページ45)

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中島side

太宰さんが芥川の方へ行ったきり帰ってこない。

何の話をしているんだろう？

芥川や游凛さんが深刻な顔をしているってことはAちゃんのことなのかな。

太宰さんは下を向いているから顔は見えないけど、すごい雰囲気が重いのは分かる。

その時、ん…と声が聞こえて下を向く。

中「Aちゃん…起きたんだ…」

貴「中…じまくん？
芥川は…姉さんは…」

向こうで話してるよ、と言うと彼女は悲しそうに笑った。

貴「私ね…マフィアに入った時からあの人を守るって決めたのに…
自分がこんなんじゃ何の役にも立たないや…」

そう言ってお腹を抑えた。

でも、さっきより傷は浅くなっていて血が出てなかった。

中「傷…大丈夫？」

貴「うん…
一応治癒能力も持ってるからね…
治るの遅いけど」

よく見ると、彼女のお腹は薄く淡い水色に光っていた。

貴「あれ…太宰さんがいる…」

中「さっき来たんだよ。
めんどくさいから来たんだって」

貴「ふぅん…
あっち空気重いね…
こっちはめっちゃのんびりな空気だけど」←

中「それ言っちゃいます？」

貴「言っちゃいます」←