家族の絆【壱】竈門炭治郎目線 ページ25
山に入った時から、強烈な刺激臭で鼻が効かなかった。あちこちから鬼のにおいがして、狙うべき鬼の位置を正確に把握することができなかった。蜘蛛を操る鬼のせいで分からないと思っていたけど、山全体を覆う不気味なにおいの方が強くて重い…!
炭「家族も仲間も強い絆で結ばれていれば、どちらも同じように尊い。血の繋がりが無ければ薄っぺらだなんてそんなことはない!!」
目の前の鬼からは、恐怖と憎しみと嫌悪のにおいがする。これが家族と呼べるわけがない。俺の家族はとても温かかった。それが全て正解ではなくても、力で抑え付け縛り付けるものを俺は認めない…!
炭「それから、強い絆で結ばれている者は信頼の匂いがする。だけどお前たちからは、恐怖と憎しみと嫌悪の匂いしかしない。こんなものを絆とは言わない!紛い物…偽物だ!!」
累「何て言ったの?お前…いま何て言ったの?」
雰囲気が変わった。嫌悪感に加えて殺意、悪意、怒り、皮膚が裂けそうなほどの威圧感。どれほど鬼の怒りを買ったとしても、俺は絶対に心を曲げない。
炭「何度でも言ってやる。お前の絆は偽物だ!!」
生きているように自在動く糸、それが木々を利用して空間を覆っているようだ。少しでも気を抜けば足元を掬われて、一瞬で体を刻まれる。匂いだけに頼るな、感覚を研ぎ澄ませ、集中しろ…!
キィン
炭「(刀が折れた‼ 信じられない…この子の操る糸はさっき斬れなかった鬼の体よりも尚硬いのか⁉)」
累「ねぇ、こそこそと見ないでよ。いくら鬼だからって、こうも見られると気持ち悪いよ」
誰のことを言っているんだ?この子の気配が強すぎて、他を認知できない。不気味な匂い、何処からこの匂いがしているんだ⁉
炭「(よけきれない…っ‼)」
余計なことを考えすぎた。刀が折れ、この糸を防げるものがない。斬られる、死ぬ、、それでも…
炭「⁉ 禰豆子‼」
禰豆子が俺を庇ってくれた。身を挺して、体を刻まれながら、俺は長男なのに…妹に助けられた…!
炭「禰豆子…禰豆子!兄ちゃんをかばって…ごめんな…」
ずんっと、鼻が使えなくなるほどの刺激臭がした。この子から一瞬目を離した隙に、何かが増えた…⁉
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◾作者の独り言
ごめんねサイコロステーキ先輩…どうやって導入して繋げて行くか思いつかなかったの( ˙-˙ )
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