憧れる者【壱】 ページ19
◻「ならば…あの方のお役に立てるよう…更に人間を喰い、鍛錬を積むことだ…」
貴「……一般人より、鬼狩りを喰う方が強くなれる。奴等は、我らを殺す為に力を肥やす。…鍛錬も、これまで以上に磨きをかけるつもりだ」
この日以来、普通の人間を喰うことを控えるようになった。ぱったりやめてしまえば良かったが、飢えに負けて自我を保てなくなるよりはマシだと考えた。成り立てのように、見境なく人間を襲う下賤な存在にだけはなりたくなかったのだ。結果的にやっていることは同じなのは分かっているが、ただ…少しでも自分は違うと思わなければ何かを失ってしまいそうで。
貴「私は、お前に勝てない。だが、それは今だけのこと。その力、技を私は奪う。そして勝つ」
◻「猗窩座と…同じようなことを言う…。私に勝つのなら…他の上弦を…超えることだ…」
貴「私は自分を過信しないが…、童磨や猗窩座に負ける気はしない。根拠はないが、そう感じている」
目の前の鬼には勝てない、肌でそう感じる。強き者は教えを乞うことは正しく、人間もそうして成長していく。己の弱さを認める者は強くなり、恐怖を抱くことで恐怖を克服する。しかし鬼は強い、自分より上の者に媚びない。猗窩座も己の努力と鍛錬だけで上弦ノ参に留まって、それは素直に敬する。だが、私にとってそれは自分のやり方ではないと思うのだ。
貴「柱の一人や二人、その他の数十人や数百人、二度と刀を握れぬようにしてやろう」
この甘ったれた意思のせいで柱を殺さず、童磨の食事も邪魔したこともある。無惨様の為に人間を喰う鬼の邪魔をして、私は細々と血肉を喰った。
貴「(鬼狩りが集まる場所…、他の鬼の狩場か)」
他の鬼の縄張りを奪うことは悪くない。漁夫の利を得るだけで、弱い鬼は狩場を広げられない。助け合う人間、奪い合う鬼、どちらが世の中の実権を握るかなど明らかだ。だから人は殺される。
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《作者の独り言》
◾イマイチ…設定が練り込めません(#/__)/ドテ
悩みますねぇ…(泣)
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