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兄。byミラ ページ28

ミラ「…へぇ、シキにもお兄ちゃんがいるんだ…!!」


私達は、寂しい部屋の中で二人、互いのことを喋っていた。


コクリと頷くシキに、えへへと笑いながら言う。


ミラ「私も、前まで離ればなれで暮らしてたお兄ちゃんがいるの。」


「お互い血が繋がってることも知らなかったから、私すっごく嬉しくって…」


そこまで言ってシキを見たとき、ハッと口をつぐんだ。


――シキの顔に、哀しみと苦しみ、そして寂しさが入り交じったような色が浮かんでいた気がしたから。

まるで、聞きたくないとでも言うかのように。


シキは、いきなり黙り込んだ私に気付くと、切なげに口を開いた。


シキ「……シキの兄さんは、今は、…いない…。」


――私とお兄ちゃんのように、やむなく離れて暮らさなければならなくなったのだろうか。

シキは外見からして私より年上なことは確かだったが、それでも唯一の兄と別れて生きていくのは辛いだろう。

一方的に自分の幸せな話を喋ってしまったことに嫌悪感を抱き、下を向いた。


シキが、どうかしたのかと言うような様子で覗き込んでくる。


――いけない。ここで暗い雰囲気にさせてしまっては。


そう思い、苦笑いで言う。


「うぅん、何か私、自分のことばっかり勝手に喋って……ごめんね…?…」


そんな私に、シキは気にしなくて良いと呟き、また前を向いた。

やはり微かに寂しげに揺らぐその瞳を見つめながら、そのうち何があったかを話してほしいなんて望みを持つけれど、きっとそれもただの自己中思考なのだろう。



それから、お互いの兄がどんな人なのかというのも話した。


まあ、私はただのお兄ちゃん自慢になってしまったが。

少し和らいだシキの表情にホッとしながら、この間あったお兄ちゃんの面白い話を言おうとしたとき。



――ピッ、ザザッ――


何かの音がした、と同時にシキがビクッと反応する。

そして、何かを聞き取るように、自分の耳に手を当てた。



――一体、どうしたんだろう……?

偽りのその言葉 byシキ→←ある夢の話byレイ



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*LERELUA*(プロフ) - 梅田 彩華さん» 本当ですか!!嬉しいです、ありがとうございます…!!いえいえ、こちらこそ、これからもよろしくお願いしますね…!!(*´ー`*) (2013年7月7日 19時) (レス) id: ceecd53c0c (このIDを非表示/違反報告)
*LERELUA*(プロフ) - 梅田 彩華さん» は、はじめまして!!わっ、嬉しいです、そんなことを言っていただけたのは非公式メカクシ団始まって以来初めてだと思います(*´∀`)私は団長ではありませんが、皆を代表してお礼を言わせて頂きます。ありがとうございます!!(*´ω`*) (2013年7月7日 19時) (レス) id: ceecd53c0c (このIDを非表示/違反報告)
青狐No10 - アイさん» ぅえい??あれー?私ユウですよ?あれ?初対面?ういなよ?← (2013年5月20日 22時) (レス) id: 1e84d71b8f (このIDを非表示/違反報告)
アイ - キル@村田さん» そっそうか まあ本当に頑張ってたと思うしな^^ (2013年5月20日 22時) (レス) id: fb18c75636 (このIDを非表示/違反報告)
キル@村田(プロフ) - アイさん» いや、お疲れって言ってくれたこと(´・ω・`)←← (2013年5月20日 22時) (レス) id: 5de70aab6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:非公式メカクシ団 x他4人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2013年4月15日 21時

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