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方向転換。byミラ ページ1

タタタタタタタタ......



数人分の大地を蹴る音が微かに鼓膜を震わせる。

私の上方からは、少し乱れた息遣いが聞こえてくる。



――一陣の風が、私たちの進む方向から吹き抜けていった。


…そっと、上を見上げる。

そこには、見慣れているけれどしかし、いつもよりも厳しい表情を浮かべたイチイの横顔があった。


真っ直ぐな瞳にふいにさっきの言葉を思いだし、下を向く。


…私は、皆のお荷物にしかなっていないんじゃないだろうか。


そんなことを、ちらりと思った。





ユウ「―――ッッ!!!!…」

セツナ「…!?……どうした、ユウ?何かあったのか?」


突然、前を走っていたユウが立ち止まった。

それにつられてセツナとイチイも足を止める。


ユウ「……グレンが、別の場所に、移動し始めた……!!」

イチイ「え……!?」

セツナ「……急いだ方が良さそうだな…。…行くぞ!!ユウ、案内を頼む!!」

ユウ「OK!!」


また走り出す3人。

私はその中で一人、考えていた。


――舘山健介という人は、どんな人なのか。


――お兄ちゃんは、何を言われ、何を思って、その人のところへ行ったのか。




「……わかんないよ……。」




苦しげに呟いた私の言葉は、再び吹いてきた風の音に掻き消された。







セツナ「……ここか。」

ユウ「……うん。ここに、入っていったのが見えたよ。」


古びた、そんなに小さいという訳でもない、けれど全く人目につかない建物。

私達4人は、その建物のドアの前に立っていた。


ミラ「……お兄ちゃん……。」


無意識にドアノブへ伸びた私の手を、セツナが止める。


セツナ「待て。流石に正面突破は避けた方が良い。…ユウ、そこら辺に、裏ドアみたいなのがないか?」

ユウ「……ちょっと待ってね…。……。……あった!!そこの藪の裏!!」


セツナの目が、鋭く光った。

無言でその藪の裏へ回ると、見つけたドアを開けて私達に向けて頷く。


――「行くぞ」という合図だった。




イチイと顔を見合せる。


ミラ「……イチイ……」

イチイ「…ミラちゃん。大丈夫。」





イチイ「――私が、ついてる。」





―イチイの強い言葉と眼差しに押されるように、ゆっくりと足を踏み出した。

私はこう見えて…byサノ→



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*LERELUA*(プロフ) - 梅田 彩華さん» 本当ですか!!嬉しいです、ありがとうございます…!!いえいえ、こちらこそ、これからもよろしくお願いしますね…!!(*´ー`*) (2013年7月7日 19時) (レス) id: ceecd53c0c (このIDを非表示/違反報告)
*LERELUA*(プロフ) - 梅田 彩華さん» は、はじめまして!!わっ、嬉しいです、そんなことを言っていただけたのは非公式メカクシ団始まって以来初めてだと思います(*´∀`)私は団長ではありませんが、皆を代表してお礼を言わせて頂きます。ありがとうございます!!(*´ω`*) (2013年7月7日 19時) (レス) id: ceecd53c0c (このIDを非表示/違反報告)
青狐No10 - アイさん» ぅえい??あれー?私ユウですよ?あれ?初対面?ういなよ?← (2013年5月20日 22時) (レス) id: 1e84d71b8f (このIDを非表示/違反報告)
アイ - キル@村田さん» そっそうか まあ本当に頑張ってたと思うしな^^ (2013年5月20日 22時) (レス) id: fb18c75636 (このIDを非表示/違反報告)
キル@村田(プロフ) - アイさん» いや、お疲れって言ってくれたこと(´・ω・`)←← (2013年5月20日 22時) (レス) id: 5de70aab6b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:非公式メカクシ団 x他4人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2013年4月15日 21時

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