【あんスタ】夜行少女【逆先夏目】 (ページ4)

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1章　魔法使い( 2 ) ページ4

何となく目に入ったビルに備え付けられたモニターを眺めていればふと、こんな言葉の羅列が。

’貴方は、魔法を信じますか？’

魔法。神秘的な力。不思議な力。

確かに魔法が使えれば魔女の様に箒で空を飛んでこの街を見下ろせるかも知れないが、生憎そんなものは存在しないと思っている。

それは私自身が魔法を見た事が無いからだった。

人は、自分の見たことの無いものなんて大抵は信じられないものだろう。

その物事に対して大きな憧れだとかがあれば逆に無条件で信じてしまうのかもしれないが。

魔法なんてものについて考えていればくらり、軽い目眩が私を襲う。この体質のせいなのか、偶に夜起きていると目眩がしたり、怠さが来たり。
別に体調不良になるのは構わないけれど街にいる時くらいは元気に過ごさせて欲しい。

「……魔法なんてあったら私の体でも何でも、治せちゃいそうな気もするけどなぁ。」

「ねェ、」

なんて一人呟いた瞬間、何か声が聴こえた。聴こえたのは街の雑音なんかじゃなく、それは綺麗な誰かの声。

音の方向へ振り向けば視界に入った一人の青年。

アシンメトリーな赤い髪に、琥珀色の瞳。
五芒星を首からぶら下げている。制服を見るからに…確か、夢ノ咲、だったか。

友人伝いに何となく聞いただけなのでうろ覚えの知識だが、確か私立のアイドル育成学校ではなかったか。そんな彼がどうして私に声を？

そんな事をぼんやりと考えていれば赤い髪をした彼は言葉を続けた。

「君ニ、魔法を掛けてあげようカ。」