【あんスタ】夜行少女【逆先夏目】 (ページ24)

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2章　呪われた身体( 5 ) ページ24

「野良猫ちゃんは数年前から昼間に起きられなくなったんだよネ？そうするト、野良猫ちゃんの知り合いの誰かが呪いを掛けた可能性が先ず高いと思うんだけド……心当たりはあル？」

「………ううん、心、当たりかぁ…。」

夏目くんの問い掛けに対してふるふると首を振る。

そもそも、私の友人関係なんて片手で数えられる程しかいないのに、呪うだなんて、そんな。

…ともかく、言われた通りに思いつく限りの人でもう一度考えてみる。

先ず身内である、お父さんとお母さん、あの二人が私を呪うなんてありえない。…と思う。

私を呪うのなら、あんなに頑張って私の体質について調べたりなんかしない筈だ。

次に、友人兼夜行性仲間の凛月と零。…この二人も不思議な所はあるが、私を呪う可能性は少ない……と、思いたい。

第一、彼らと知り合ったのは私が昼間起きられなくなってからだ。この体質はそれ以前の問題なので、二人の可能性も消える。

その法則で行って、残る友人…になるのだろうか。は、夏目くんだけになるけれど、夏目くんとは昨日知り合ったばかりだし、この体質は数年前からだ。呪いを掛けたのが彼である可能性も今消えた。

……駄目だ、やっぱり思い付かない。

「……ごめん、夏目くん。考えてみたんだけど、やっぱり思い付かないや。」

どうしてこういう時にちゃんと考えられないのだろう、他に考えてみるも思い付かないポンコツな自分の頭に少しうんざりとしながらも彼にそう告げた。

「…ううン、少し調べて見た方が良さそうダ。…野良猫ちゃん、今日は一旦このまま家に帰った方が良いと思うヨ。野良猫ちゃん自身に心当たりが無くてモ、影から野良猫ちゃんに目を付けて呪いを掛け続ける悪い魔法使いが居るかも知れないしネ。」

夏目くんにそう言われてしまってはなんだか帰らなければ行けないような気もしてくる、これも魔法の力なのかな？

ふと、店内を見渡してみると人影もちらほらとしか見えなくなっていた。まあこんな時間まで書店内にいる人も少ないか、と自己完結。

そうしてここまで話し込んでいて時間が気になったので確認してみれば時刻は0時を迫っている事に気付く。

普段ならばまだまだこの街に居るのだが、今日は少し精神的に疲れてしまった気もする。余計な感傷を思い出したせいで目の前にいる彼の時間をまたもや奪ってしまった訳なのだし。

今度、何か彼にお礼をしなくてはなぁ、なんて考えながら彼が続けて語る言葉に耳を傾けた。