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2章 呪われた身体( 1 ) ページ20

つまり、今の自分が感傷的になっている理由は友人や恋人がいないからではなく、きっとただ孤独だからだろう。


そういった感情には慣れたと思っていたのに、昨日街で久し振りに人と居たのも相俟って余計この感情を増幅させてしまった様だ。


……この寂しさを埋める方法は、一つしかない。
我儘を言う形にはなってしまうが、こんな気分になってしまったのも、彼の所為であるとも言えるのだし。


昨日出会ったばかりなのに自分勝手ながら、申し訳ないと思いつつもSNSのアイコンをタップする。そこで’逆先夏目’の文字を押せばトーク画面を開くと共に既読が付いた。

丁度良い。ナイスタイミングだ。


今文字を打っているのなら出てくれるかもしれない。

そんな希望と共に通話のマークをぽちりと押した。


(……出て、くれるかな。)


イヤホンをつけたままなのでスマホを口元に近付けて、彼が応答してるのを待つ。…すると画面に通話時間の表示が出た。


彼は出てくれたのだ。


「……もしもし、夏目くん?」


「もしもシ、どうしたノ、野良猫ちゃん?こんな時間に通話を掛けてくるなんテ、」


嗚呼、夏目くんだ。声を聞いてなんだか無性に申し訳なくなって来た。


また私は忙しいはずの彼の時間を自分に付き合わせようとしている。…我ながら最低だとすら思うけれど、今更この通話を切るなんて私には出来ない。


「……もしかして寝てたりした?…起こしちゃったとかなら、ほんとにごめんね。……今から街、来れたりする?」


「寝てはいないヨ。今は読書をしていた所だシ。…フフ、詳しい事は分からないけれド、野良猫ちゃんのご指名なら行ってあげなきゃいけないかナ。…それデ、ボクは何処へ行けばいいノ?」


……ああ、でも本当に良かった。


正直、まさか出てくれるとは思っていなかったので、素直に嬉しい。


「場所は────」



──────


数十分後。



ソファに座って夏目くんを待つ間が暇だったので適当にソシャゲをプレイしていれば誰かにとんとん、と肩を叩かれた。

スマホに見入っていた為に突然触れられびくっ!と驚きから肩を跳ねさせた私は勢い良くその方向へ振り向く。



「Good Night.野良猫ちゃん…♪」



振り向いた先に居たのは、昨日の制服姿とは違う、私服姿の夏目くんだった。

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エンドロール - すごくこの作品好きです!描写も細かいし何より読みやすくて面白い!これからも頑張ってください、応援してます。 (2020年1月18日 13時) (レス) id: feeead544b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ドロップ | 作成日時:2020年1月15日 9時

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