【あんスタ】夜行少女【逆先夏目】 (ページ7)

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1章　魔法使い( 5 ) ページ7

「すぅぅぅ、はぁぁぁぁ………おほん。……んと、身体が軽くなる、魔法…だっけ？」

深呼吸をして、なんとか落ち着きを取り戻した私は彼がさっき口にした’身体が軽くなる魔法’について聞いてみる。

確かに最近、というかこの身体になってから寝起きは怠かったし夜街を散策している時にも気分を悪くする事があったので是非その魔法とやらで和らいでくれるのなら頼みたかった。

まあ、半信半疑といったところだけれど。

「子猫ちゃんは一見、普通に見えるけド、よく見てみると体調が良くない様にも見えるんダ。子猫ちゃんに魔法を掛けてあげられるシ、魔法のお披露目にも丁度いいかなって思ったんだけド……どウ？」

やっぱりちょっと癖のある発音で喋りながら夏目くんはそう説明する。

独特な発音も気になるがそんな事より、彼がこうして私と少し喋っていただけで私の体調に気付いて見抜いた事にやっぱり驚いてしまった。

「魔法で体調が良くなるならやってみてほしい、けど……どうして私の体調が優れないって分かったの？」

「職業柄の癖だネ。ボクもボクのマミィも占い師だからサ。相手と話す時つい色々と見てしまうんダ。不快にさせたならごめんネ？」

「いや、不快って訳では無いから、大丈夫。」

「なら良かったヨ。」

ふるふると首を振って微笑めば彼もふっと頬を緩めてみせる。

不思議な雰囲気の人だなあ、と何となくに考えた。まあ彼も彼の母親も占い師だというのだから、そういった雰囲気なのは当然なのだろうけど。

…逆先夏目くん。
独特な話し方にアイドル学校に入っている様子の占い師、更に魔法を掛けてあげようと来た。

ここまで来ると本当に魔法が存在するんじゃないかと思えてくるから尚更、不思議だ。

「…その、魔法ってどうやって掛けるの？…なんて魔法を掛けられる側の私が聞く事じゃないんだけど。」

「……魔法を掛けるのは簡単だけド、教えるのはそう簡単な事じゃないんダ。それに簡単に教えられる魔法なんて効果がそんなに望めないしネ。」

「そう、なんだ…うーん、でもそうだよね。」

確かにその通りだし、私が魔法を会得した所で使える相手なんてそう居ない。彼には魔法も効かなそうだしね、と一人でうんうん頷いて納得してしまった。

まあ詳しい事は分からない方が良さそうだし、物は試しとも言う。私は大人しく彼の魔法とやらを体験する事にした。