43.夜 ページ43
その夜…
久々に実家に帰ったため、今夜は泊まることにした。……なぜか鶯と同じ部屋で!!!!お母さん!近侍だからって寝るときまで一緒って間違ってる!
しかもおじいちゃんが老人会のメンバーを何人か家にとめるらしく、部屋がないらしい……。
タイミング!!!
A「鶯……ごめんね。狭くて……。本当はうち部屋沢山あるんだけど…」
鶯丸「俺は構わないが主に気を使わせてしまうな。」
A「ううん。私は大丈夫よ。」
並べられた布団。
お互い背を向けて言葉を交わす。
鶯丸「………」
A「………」
沈黙が変に緊張感を感じさせた。
心臓がどきどきしてる。
はぁ……こんなの寝られるわけない!!
ぎゅっと目をつむったときふと背中にぬくもりを感じた。
ぴと…
A「……!?」
私の背にぴたりと鶯が体を寄せていた。
鶯丸「温かいな、主は。快適快適。」
A「ちょっと……///!?」
鶯の両手が後ろから私をそっと抱きしめる
私は振り向こうにも振り向けない状況だった。
鶯丸「A……」
A「……なぁに?」
鶯丸「…好きだ。」
A「うん……ありがとう。私も好きよ?」
鼓動がすぐ後ろにいる鶯に聴こえていそうで怖いな……
そんなことを考えていると、鶯の手が着物の襟元から滑り込んできた。
A「……やっ…//」
鶯丸「__馬鹿。警戒心がなさすぎだ。俺なら何もしないとでも思ったのか?」
すぐ耳元で囁かれ、びくりと体が震える。
う…しまった……
鶯丸「残念だが、好きな女を目の前にして感情を抑制できるほど、俺は出来た男ではないからな。」
すぐ後ろで聞こえる鶯の声。
へんなの……私、まるでそれを望んでいるみたい。
あの日の感触が蘇る。
A「___いいよ…?私を攫ってくれるのでしょう?」
鶯を振り返ることなく私はそう言った。
鶯丸「……その言葉、俺を誘っているのか?」
そっと髪を撫でられる。
私、その少し冷たい手が大好きなの。
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