夢見心地_04 ページ5
*
そんなの簡単だ。
“生きる”とは“生まれる”
そういう事なんだから
言葉にするのが愚問だ。
『んっ…あ……っ……んぅ』
おそらく初めてであろう
こいつの雌としての領域は俺が貰った。
正面で抱き合う度に互いの背中に立つ爪の痕
優しい愛撫なんて知らない
乱暴くらいが丁度いい
こいつにはそういう事を教えたかった。
“痛み”は感じるものであり、時に感情を左右する。
俺の指導は荒治療だが、ちゃんと“生きる”
という事を教えていると自負していた。
小さなアパート、六畳一間
シングルベッドの上でひしめく音は
間違いなく俺達の愛のキャロルだった_____
…
この時の俺はまだまだ子供だった。
青二才とやらだろうか
幼い頃からグラビアや芸能活動をして、
人と比べれば平均以上の才能を持ち
そこまで苦労してきた事は少なかったかも知れない。
だけど、世の中にはまだまだ知らない事ばかりで
何故かこの女と体を重ねる度に
名前も知らないこの気持ちが
胸いっぱい満たされる感覚があった。
…慰め合いだろうか？
曇りガラスは外の景色を鮮明には映さない。
日中は陽の光で白く、夜はただ黒いだけの窓
外の状況を何も教えてくれないこの窓は
憎く、意地悪とさえ思った。
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ゆめゆら。(プロフ) - ゆあさん» 勿体無いお言葉です、甘々のハッピーエンドよりこういう話の方が私には綴り易いです（笑）ありがとうございました。 (2016年4月2日 10時) (
レス) id: 4e91be757d (このIDを非表示/違反報告)
ゆめゆら。(プロフ) - 菫さん» 読んで頂きありがとうございました* (2016年4月2日 10時) (レス) id: 4e91be757d (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - とても感動しました！ゆめゆら。さんの作品はどれも素敵なものばかりで、いつも楽しみにしています。 (2016年4月1日 10時) (レス) id: a2e2f69fa3 (このIDを非表示/違反報告)
菫 - 更新楽しみです！頑張ってください！ (2016年3月31日 21時) (レス) id: 01be289194 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆめゆら。
| 作成日時：2016年3月31日 17時
