【うたプリ】I want your smile. [2]

63. ページ18

*レン目線*



それから彼女の住まいを探し、『ごめんね』と言ってからカバンの中に家の鍵がないかゴソゴソ



キーホルダーすら付けてないシンプルな鍵が外側のポケットに入っていた


　

いくら人通りの少ない時間帯だとしても、明後日発売の女性誌の表紙に『熱愛発覚!?新人達の夜の顔!!』……なんて載せられた日には目も当てられない



車の中に常備してある変装用のメガネとマフラーで顔を隠す


　

まぁ、ジョージが彼女をベッドまで運んであげればこんなコソコソしたことしなくてもいいんだけど、それは俺が嫌だ

　

　

「507だったよね…っと」

　


ホントは姫抱っこしたかったけど、彼女の顔も見られないように俗に言うおんぶをしてあげる

　
　
落ちないように左手で彼女を押さえながら片手で荷物と靴を持つ
　



そこでワンテンポ遅れて『あること』に気付く


　

　



え…?軽くね?

　


少なくとも彼女の身長は170cm以上あるのに、俺の腕にはそれ相応重さがかからなかった



……そりゃ女性特有の谷間というものはそこまでないみたいだけどさ(俺が見た限り恐らくＢ)←



片手で支えられるほどの体重しかないなんてちょっと心配だ



いや、あれだけ味噌ーダ飲んでたし、重症の偏食(変食?)ってだけなのかな?

　
　




中に入って、とりあえず手探りで真っ暗な部屋に電気を灯し、ベッドを探す



彼女の部屋と思わしき場所にはクローゼットとベッド、それに何冊かの雑誌と少年ニャンプがあるだけで、まさに『必要最低限』といった感じ



背中に乗るぐっすりな彼女をベッドに横にさせて布団をかける

　



一通りの任務を完了させて一息付きたいところだけど、レディの部屋に無断で上がってるわけだし、あんまり長居はよくないよね


　


「…おやすみ」



聞こえるはずもない彼女に一言残し立ち上がる



枕元に飾ってある幼いころの君とアイツと双子の弟が写った写真を見つけ、本当に仲良しなんだと嫉妬を覚えながら俺はその場を立ち去った


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



「あ、おちび?明日Aちゃんにモーニングコールしてくれないかな。

理由?そんなのどうだっていいだろ?

じゃ、早く寝ないといつまでもおちびのままだよ?俺は可愛いからそのままでもいいと思うけどねっ♪」

　


電話の向こうから『ちびっていうな!!』って言ってたけど、知らないふりして通話終了のボタンを押した

64.→←62.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す