【ヒプノシスマイク】姐御のお通りだ【番外編】

男になったら…6 ページ6

side:MC.B.B





―萬屋ヤマダ





今日は依頼が入っていない為、撮り溜めていたアニメを消化しようとしていたが、インターホンが鳴ったことで鑑賞会はお開きになった
学校から帰って一緒に見ていた二郎が応対に行ってくれたんだが、何でか大声で俺を呼び始めた





「に、兄ちゃん兄ちゃん！！」

「どうした？二郎」

「煩いぞ、全く…。これだから低能は…」





同じリビングで新しいカードゲームを広げていた三郎と一緒に玄関に行けば、そこには腰を抜かした二郎と、その前で膝をついて二郎の頭を撫でる長身の男が居た
その男の顔にめちゃくちゃ見覚えがあったのは、隣りで絶句してる三郎も同じなんだろう

大企業の社長なのに凄ぇ良い人、煌夜さん
ただし、その身体は普段の細マッチョ体型じゃなく普通のマッチョだった





「煌夜さん！？」

「や、やっぱり煌夜姐さんだよな！？」

「どうしたんですか！？煌夜姐！」

「元気だなー、お前ら…」





二郎に続いて俺と三郎の頭を撫でる煌夜さんの顔は、どことなく生気が抜けていた



事情を聞いて犯人に殴り込みを仕掛けようとしたが、煌夜さんが既に手を回してあると言うので残念だが我慢した
二郎と三郎も凄ぇ不満顔だが、煌夜さんに頭を撫でられたら何も言えなくなる

この人の優しい撫で方にはついつい絆されるんだよな…





「ところで、何で今にも魂抜けそうな顔してんスか？」

「いや、ここに来る前に乱数の事務所に行ってきたんだが…着せ替え人形にされてな」

「「「あぁ…」」」





乱数の奴におもちゃにされたようで、流石の煌夜さんも疲れが顔に出たらしい
仕事とはまた違った疲れ方だから耐性がなかったんだと

まぁ、乱数が色々したくなる気持ちは分かる
今の煌夜さん、普段より男らしくて凄ぇかっこいいんだよな
筋肉も俺より断然あるし、身長も心なしか伸びている気がする
モデルにするにはうってつけだ





「どれくらいで元に戻るんですか？」

「大体3日らしいが、俺の勘としては明日の夜辺りだな」

「勘って…」

「女の勘は侮れねぇぞ、二郎。ま、今は男だけどな」





たっはは！なんて笑ってる煌夜さんを見てると、心配してるのが段々どうでもよく思えるから不思議だよな…





「じゃあ今日は一緒にアニメ観ましょう！」

「あ、俺コーヒー持ってくる！」

「その後、ボードゲームやってくれませんか？」

「おー、いいぞ」





たまにはこんな日も悪くねぇな









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