タイムリミット(1) ページ27
A「…。」
涼介「___…A?」
沖にあった、海から少しだけ顔を出している岩に腰掛けながら
俺はAに全て話した。
あと少しで東京に帰ること、
…出来れば、Aと一緒に帰りたいってこと。
A「…。」
顔を覗き込んでも、顔の前で手を振ってみても、
声を掛けても、
Aは反応してくれない。
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やっぱり…言うには早かったかな。
それとも、ちゃんと順序考えて…Aの反応を見ながら話した方が…。
A「そっか。」
涼介「うん…えっ!?」
A「どうしたの?」
だって今…そっか、って…。
涼介「平気…なの?
ずっとそばに居るとか言っといて…東京戻る、とか…。
怒らないの?」
Aは、さっきまで見せてた悲しげな表情ではなく
柔らかく微笑んでいた。
微笑みを浮かべた横顔を見せながら、乾いて二本の脚となっていた足先を海につける。
脚が、少しずつ変化を始めて、エメラルドグリーン色の尾びれに変わった。
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涼介「A…。」
A「…私も、涼介と行きたい。」
水を遊ぶ尾びれを見つめながら、Aはボソリと呟く。
ちゃんと聞こえたその言葉、凄く嬉しいはずなのに…嬉しくない。
A、どうしてそんな悲しい顔しながら言うの…?
涼介「…本当に思ってる?」
A「思ってるよ…涼介のこと好きだもん。」
涼介「…。」
” 好き “
そんな言葉が好きな子から言われて嬉しくないはずがない。
けど…そんな心のこもってない、カラカラとした” 好き “は、俺には全く嬉しくないよ…。
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涼介「…A。今夜…俺の部屋来れる?」
A「え…?」
涼介「…お願い。来て…?」
Aの言葉から、表情から、きっと東京に行くことを望んでるようには見えなかった。
Aのことだから…俺の前から消えてしまうことを考えてる。
会って3日。
会って2日で告白して、キスもした。
さすがに会って3日で…その先は早いかな…?
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kaori asa(プロフ) - 最高ーっ!です。気付いたらタオル握り締めて画面を必死にスクロールしてました。ありがとうございました。 (2019年9月24日 6時) (レス) id: 89ca319f3b (このIDを非表示/違反報告)
KNN☆(プロフ) - なんでだろう。目から雫が落ちてくる...夢主ちゃん可哀想だけど、なんだか、表現しきれないぐらいの想いを持って死んだのかなって思った、これからの続編みたいなやつ書いたら面白いと思います。とても面白かったです。 (2018年7月17日 20時) (レス) id: b591646d2a (このIDを非表示/違反報告)
rhythm♪ - 泣きました!とても感動しました!!くるすけさんの作品とっても大好きです。これからも頑張ってください!!応援してます!! (2018年2月9日 15時) (レス) id: d0ee879122 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - この作品何回も繰り返し読んでいるんですけども、本当にいいお話で、毎回毎回涙してます!! この人魚の生まれ変わりとかの話って書いてくれたりしませんか?? くる助さんのお話大好きです。これからも応援してます!! (2018年1月19日 23時) (レス) id: 7ce3edd3fa (このIDを非表示/違反報告)
涙もろ子さん - 涙が止まりません ほんっとに涙が止まりません…。これからも作品作り続けて下さい! (2017年10月9日 1時) (レス) id: 2bf35c0a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:♪くるすけ♪ | 作成日時:2017年6月5日 20時