海の世界 ページ26
ジャリッ___…
A「大丈夫だよ?」
涼介「…っ。」
目をギュッと一度瞑って、足を踏み出した。
ジャリッ___…ザブンッ__!!
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涼介「っ…!!」
A「…涼介、目、開けて…?」
優しいAの声に、ゆっくりと目を開く
涼介「すげ…。」
目の前に広がる光景は、
目を疑ってしまうくらい綺麗だった。
澄み切った青い海に、
気持ち良さそうに泳ぐ魚、
海の底には珊瑚や貝などの綺麗な生き物達、
なにより…
A「___綺麗でしょ。」
Aが、綺麗だった。
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海の中を目にして、思わず笑みが零れる俺を見て
Aも嬉しそうに微笑む。
目を細めて、綺麗な笑顔を見せながら
Aは…綺麗な尾びれを動かしながら、華麗に泳ぎ始めた。
A「…涼介、不思議に思わないの?」
涼介「なにが?」
A「海の中で息できること。」
……あ。確かに。
海とAに夢中で気が付かなかった。
涼介「…なんで?」
A「ふふ、人魚の力って不思議だよね。」
涼介「へぇ…人魚ってこんな力も持ってるんだ。」
Aと手を繋いでる、それだけで、海の中で息ができた。
聞くと、触れる場所はどこでもいいみたい。
人魚の体の一部に触れていれば、海の中での呼吸が可能だって。
全然苦しくもないし、目に水が入っても痛くもない。
すげぇな…、海の中ってこんな感じなんだ。
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A「ねぇ…涼介。」
涼介「ん?」
A「…私に、なにか言う事…あるんじゃないの?」
泳ぎながら、俺の手をギュッと握り締める。
Aは悲しそうな笑みを浮かべ、俺の目を見た。
人魚って…心ん中も読めるのか?
それとも、たまたま察知されたとか?
涼介「…ん、後で言うよ…。」
A「今 教えて?」
涼介「…。」
泳ぐのをやめて、俺の方を向くA。
悲しげな視線を向けてくる。
体をまとう水が、異常なほど冷たく感じた。
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kaori asa(プロフ) - 最高ーっ!です。気付いたらタオル握り締めて画面を必死にスクロールしてました。ありがとうございました。 (2019年9月24日 6時) (レス) id: 89ca319f3b (このIDを非表示/違反報告)
KNN☆(プロフ) - なんでだろう。目から雫が落ちてくる...夢主ちゃん可哀想だけど、なんだか、表現しきれないぐらいの想いを持って死んだのかなって思った、これからの続編みたいなやつ書いたら面白いと思います。とても面白かったです。 (2018年7月17日 20時) (レス) id: b591646d2a (このIDを非表示/違反報告)
rhythm♪ - 泣きました!とても感動しました!!くるすけさんの作品とっても大好きです。これからも頑張ってください!!応援してます!! (2018年2月9日 15時) (レス) id: d0ee879122 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - この作品何回も繰り返し読んでいるんですけども、本当にいいお話で、毎回毎回涙してます!! この人魚の生まれ変わりとかの話って書いてくれたりしませんか?? くる助さんのお話大好きです。これからも応援してます!! (2018年1月19日 23時) (レス) id: 7ce3edd3fa (このIDを非表示/違反報告)
涙もろ子さん - 涙が止まりません ほんっとに涙が止まりません…。これからも作品作り続けて下さい! (2017年10月9日 1時) (レス) id: 2bf35c0a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:♪くるすけ♪ | 作成日時:2017年6月5日 20時