数え切れないほどの… ページ24
涼介side
A「っ…ん…。」
何度も、何度も唇と唇が触れた。
触れては離れて、離れては触れて、何度も、何度も。
ただ触れるだけのキスを繰り返す。
舌を入れたりなんて、大人なキスはしない。
目をうっすらと開けば、頬を赤く染めながら目を閉じるA。
少し視線を下に向けると、細くて長い、白い脚が見えた。
エメラルドグリーンの尾びれも綺麗だけど…やっぱり脚も綺麗だな、
なんて変態的な考えをしながらも、キスだけは正統派な感じで。
だっていきなりやばいキスしたら、A 嫌がるかもしれないじゃん?
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ピリッ__!
涼介「っ…!」
A「いっ…た!」
海の塩水で唇が濡れて、潮風が乾かしたせいで
俺達の唇は切れやすくなっていたのかもしれない。
何度も重ねた唇は、重なって離れる度に擦れて。
ついに切れてしまった。
A「っ〜…。」
涼介「…ごめん、し過ぎたな。」
A「…んーん、平気…。」
お互い唇を手で押さえながら、目を見て、また笑い合った。
幸せで、
このまま止まってしまえばいいって思うぐらい、幸せだった。
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A「…そろそろ帰った方がいいんじゃない?」
涼介「…19時、か。」
いつの間にか日は沈み、辺りが暗くなり始めていた。
岩の陰にいるから、余計に周りが暗くて見えにくい。
本当は…帰りたくないけど。
帰ったら…明日、またキミと会えなくなるんじゃないかって。
離れたくない、離したくない、
ずっとそばに居てやりたい…。
俺には時間がないんだ…残り、たった5日間しかない。
その間でAに俺の仕事のことを、5日経ったら東京へ戻らなきゃいけないって伝えなきゃいけない。
人魚って…海から離れたらどうなるのかな。
離れても大丈夫なら、東京に連れて行きたい…。
そばにいるって、離れないって約束したから…。
まぁ…東京に行っても、良いことなんてないけどね…。
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涼介「じゃ…帰るね。」
A「うん、ばいばい。」
Aと分かれ、帰路を辿っていると
海の方から、飛び込む水音が少しだけ聞こえた。
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kaori asa(プロフ) - 最高ーっ!です。気付いたらタオル握り締めて画面を必死にスクロールしてました。ありがとうございました。 (2019年9月24日 6時) (レス) id: 89ca319f3b (このIDを非表示/違反報告)
KNN☆(プロフ) - なんでだろう。目から雫が落ちてくる...夢主ちゃん可哀想だけど、なんだか、表現しきれないぐらいの想いを持って死んだのかなって思った、これからの続編みたいなやつ書いたら面白いと思います。とても面白かったです。 (2018年7月17日 20時) (レス) id: b591646d2a (このIDを非表示/違反報告)
rhythm♪ - 泣きました!とても感動しました!!くるすけさんの作品とっても大好きです。これからも頑張ってください!!応援してます!! (2018年2月9日 15時) (レス) id: d0ee879122 (このIDを非表示/違反報告)
さな(プロフ) - この作品何回も繰り返し読んでいるんですけども、本当にいいお話で、毎回毎回涙してます!! この人魚の生まれ変わりとかの話って書いてくれたりしませんか?? くる助さんのお話大好きです。これからも応援してます!! (2018年1月19日 23時) (レス) id: 7ce3edd3fa (このIDを非表示/違反報告)
涙もろ子さん - 涙が止まりません ほんっとに涙が止まりません…。これからも作品作り続けて下さい! (2017年10月9日 1時) (レス) id: 2bf35c0a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:♪くるすけ♪ | 作成日時:2017年6月5日 20時