【銀魂】真選組監察方の紅一点番外編 (ページ9)

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風紀委員の紅一点：ステッカー事件編③ ページ9

『…とりあえず、会議中だから出てって』

腕を引っ張って教室の外に追い出そうとした彼女に、

「え～拙者、もう少しA殿と一緒にいたいでござる」

と拗ねたように万斉がしがみつく。

そんな彼を見て、

『今すぐ別れようか』とAはニッコリ微笑んだ。

「え…」

それを聞いて、万斉はこの世の終わりみたいな顔をする。

『ちょっと、冗談だってば…』
そんな顔しないでよ…

そこまでショックを受けるとは思わなかったAも、困ったように彼を見つめた。

と、そこで、この日珍しく会議に参加していた伊東が、メガネのブリッジを指で上げながら、
「…彼らが風紀の乱れでは？」と発したことにより、
Aは慌てて『し、失礼しましたっ！！』と、万斉を連れて教室を飛び出したのだった。

話がだいぶ逸れたが、とりあえずそんな感じで2人の関係は(数名、納得していない人物が居たけれど)風紀委員全体に知れ渡ることとなった。

『事件のことなんて、話題にものぼらなかったな…』とAは独りごちる。

「篠原のほうはどうだ？」

眉間に皺を寄せたまま、土方は何か情報はないかと篠原に聞いた。

「高杉一派の奴らが昨日の放課後、校門を通る生徒にしつこく聞きこみ調査をしていたらしいです」

「やっぱりか…」

「俺も、何人かの生徒が「突然声かけられてビビった」って話してんのを聞きやしたぜィ」

『そりゃあ、あの面々に声かけられたら誰だって驚きますって』

蓋を開けてみると不良というか、変人の集まりだけど。なんて、自分の彼氏も居るのにAはめちゃくちゃ失礼なことを思った。

どうやら、彼らが事件を追っているのは間違いないようだ。

「うーむ、何故奴らがステッカー事件を…」

「近藤さん、そりゃあアレだろ。高杉が戻って来て、一番最初に起きた事件だ。奴ら、自分らが事を収めて箔をつけたいんだろうよ」

近藤の呟きに、土方が自分の見解を述べる。

『(まあ、そう考えるのが自然かな…)』

Aは『厄介なことにならなきゃ良いけど…』と、カップに残ったミルクティーを飲み干して、ため息をついたのだった。