【銀魂】真選組監察方の紅一点番外編 (ページ8)

今日:6 hit、昨日:18 hit、合計:12,570 hit

風紀委員の紅一点：ステッカー事件編② ページ8

頭を抱えた土方に声をかけたのは、クッキーを頬張っている沖田だった。

「土方さんサクサク…あんまり細かいこと気にしてるとサクサクサクサク…禿げますぜィ。あ、手遅れかサクサク…」

「ンだと総悟テメー俺は禿げてねーぞ！？あとそのサクサク音やめろ腹立つ！！」

「まあまあ、トシ、落ち着けってサクサク…このクッキーサクサク…美味いぞ？サクサクサクサク…」

「近藤さんアンタもかよ！！」

クッキーをポロポロこぼすんじゃねェェェ！！
Gが出るだろうが！！

土方の叫びを聞いて、
それは嫌だな…後でちゃんと掃除しよう…とAは思った。

『ところで、今日の議題は何なんですか？』

このままでは本当にお茶会委員会になってしまう…と思ったAはカップをソーサーに置くと、土方に向かって尋ねる。

「…例のステッカー押し売り事件を、どうやら高杉一派が追ってるらしい」

咳払いをして、土方は本題を話し始めた。

ステッカー押し売り事件とは、最近かぶき町の高校生たちが被害にあっている事件のことである。

暴力で脅されて、本人の意思に関係なく強引に変なステッカーを高額で買わされるという、地味にタチが悪いものだ。

銀魂高校の生徒もかなりの人数被害にあっていて、これは何とかせねば！と風紀委員が総動員で調査中なのだが、未だ敵の尻尾は掴めていない。

「A、アイツから何も聞いてないんで？」

沖田にそう聞かれて、Aは首を横に振った。

アイツ、とは河上万斉のことである。

『…特に何も』

Aが彼とお付き合い中というのは、風紀委員内でも既に周知のことだった。

なんなら、めでたく(？)交際開始となって数日経ったある日、万斉が会議中の風紀委員会に乗り込んできて、

「ぬしらには申し訳ないが、A殿は拙者の彼女なので！つまり、そういうわけなんで！」

と宣言していた。

『何が、そういうわけなんで！だ、バカヤロー！！』
いきなり来て何言ってんのお前！？みんな混乱しちゃってるじゃんっ…
Aが叫んで、ツッコミよろしく彼の頭を叩いた。

「イタタタ……だって、挨拶は大事でござろう？」

『挨拶する相手違くない！？』

突然の闖入者に、風紀委員の面々はポカンとしている。

え？何？コイツら付き合ってんの？
リア充かよ爆発しろ…！！
嘘だろオイ…

ってな感じの空気になりつつあった。