【銀魂】真選組監察方の紅一点番外編 (ページ41)

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その⑫ ページ41

土方さんに「オメーはいい加減持ち場に戻れ」と小突かれて、私は子供たちへのお菓子配りを再開した。

何だかんだ万事屋の3人も手伝ってくれるらしい。
報酬(お菓子)目当てっぽいけど。

『さて、』と並んでいる次の子にお菓子を渡そうとして…子供たちの目線に合わせるためにしゃがんでいた私は、突然自分に影が射して、思わず上を見上げた。

「Trick or Treatでござる」

そこには、真っ黒いフードを被ってグラサンをかけた怪しげな男──

いや、鬼兵隊の河上万斉が居た。

『……何しとんじゃお前はァァァ！！』

思わず叫んでアッパーカットをかましてしまった。
避けられたけど。

「危ないでござるよ」

『いつの間に！？』
というか、なんで普通にココに居るの！？

周りには仮装してるとはいえ、真選組隊士が沢山いるのだ。
現に、先程まで緩かった空気が一気に張り詰めた気がする。

私の問いに、万斉は平然と答えた。

「真選組の奴らがお菓子を配ると聞いたのでな。あとはA殿が仮装している気配を察知して、待機していたでござる」

『ホント何なのその察知能力。気持ち悪いんだけど』

だいたい、対して宣伝とかしてない……
いやしてたわ…沖田さんが拡声器使って、大々的に宣伝してたわ。

こめかみを押さえてため息をつく。

「A殿の居るところに拙者あr…」

『あーハイハイわかったわかった』

「…最後まで言わせて欲しいでござるな」

『そういうの、いいから』と、万斉の言葉を遮ると、彼はちょっと不服そうにしていた。

『てか、何その格好…』

真っ黒いフード付きのローブを着ている万斉は、普段よりも怪しさMAXだ。グラサンしてるから余計に。

ヘッドホンはフードを被る時さすがに邪魔だったのか、首からかけている。

それから、背中の三味線とは別に手に持っている大きな鎌。
多分レプリカだけど、これって…

「死神でござるよ。鎌もちゃんとあるでござろう？」

そう言って万斉は鎌を掲げてみせた。
やはり、彼の仮装は死神だったようだ。

『人斬りで死神ってシャレにならんわ！！』

ってそうじゃなくて、鬼兵隊もハロウィンの仮装とかするんだ……暇なのかな？

いや真選組も他所のこと言えないけども。