風紀委員の紅一点：ステッカー事件編�� ページ19
「どうやら春雨高校の奴ら、夜兎工の生徒にもステッカーを売りつけていたようでござる」
『うわ、命知らずだな…』
今回は万斉がすんなりと情報提供をしてくれた。
それで、神威が自ら制裁を加えに来たってところだろうか？
「まあつまり、あなたがた風紀委員の出番はない、ということですよ。残念でしたねププー」
若干調子に乗っているロリコン…武市にそう言われて、確かにその通りなんだけど、ちょっと腹立たしいと思ってしまった。
特に最後らへん。あと顔がムカつく。
『"お前らはもう用済み。バーカバーカ！"ですって、委員長、副委員長』
武市がそう言ってます。と、私は近藤さんと土方さんを振り返った。
2人も、なんなら沖田さんも終さんも篠原君もちゃんと聞こえていたのか、武市をジロリと睨みつけている。
「よォーし、ロリコンを血祭りでさァ」
沖田さんが不敵に笑って言った。
「いや私そんな言い方してませんよ？ちょっと山崎さん、聞いてます？」
えー？なんて？聞こえませーん。
「まあでも、意味的に同じじゃないかねェ…」
ほら、あんたの隣の似蔵もそう言ってるし。
「似蔵さんあなたどっちの味方ですか！？」
そんなやり取りを見ていたまた子ちゃんと万斉が、
「自業自得ッスよ」
「自業自得でござるよ」
と武市に向かって声を揃えて言った。
高杉に至っては無視だった。
「私の扱い酷くないですか！？」
断固抗議するゥゥゥ！！とか叫んでいる武市は放っておいて、
『さて、どうします？ここに居ても埒が明かないですし…』と仕切り直して私は近藤さん、土方さんに問いかけた。
一応、情報は得られたし…成果は得られなかったけど。
何の成果も得られませんでした！！って感じだけど。
「残念だが仕方ない。ここは引き上げるか…」
「そうだな…」
近藤さんの言葉に土方さんもため息をついて頷くと、その場に居た全員が各々「じゃあ帰るか…」みたいな流れになった。
「そうとなればA殿、途中まで一緒に帰るでござるよ！」
『え、ちょ、ちょっと！？』
帰る流れになった瞬間、万斉は私の手を引いて意気揚々と歩き出した。
突然すぎない！？
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作者名：めぐりずむ | 作成日時：2021年10月10日 2時
