【銀魂】真選組監察方の紅一点番外編 (ページ18)

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風紀委員の紅一点：ステッカー事件編⑫ ページ18

すると、

「A殿～っ！！」

私の姿を見つけた万斉が嬉しそうに駆け寄って来て、思い切り抱きついてきた。

『ぎゃっ！？』

あーもう、犬かお前は…
抵抗するのも諦めて、私はジッと目の前の彼を見つめる。

『…怪我してない？』

「大丈夫でござるよ」

晋助がそろばん塾に行くと言って、向こうはDVDを返却すると言って、戦いにすらならなかったのでな。

と言われて、安堵する。

『そ。なら良いけど』

何事も無いなら良いのだ。

てか、高杉ちゃんとそろばん塾行ってんだ…そういえば実は良いとこのお坊ちゃんなんだっけ？
神威も神威で、ちゃんとDVDを期限内に返却するんだな…

「心配してくれたんでござるか？」

『……別に』

あんまりにも嬉しそうに言うから、逆にこっちが恥ずかしくなってきて思わず目を逸らす。

こういう時、『心配した』って素直に言える性格だったら良かったんだけど。

頬に手を添えられて、私は再度彼を見上げて呟く。

『……少しだけね』

そう簡単に負けるような彼らじゃないのはわかっているけれど、相手が相手だし、やっぱり怪我はして欲しくないと思う。

と、そこで、

「まーた、イチャついてるッス…」

追いついてきたまた子ちゃんが、呆れたように呟いた。

『また子ちゃん、さっきのって… 』

こっちはもうお腹いっぱいッスよ…と言っている彼女に、夜兎工の奴らのことを聞いてみる。

「お察しの通り、私らが行った時には既にあの3人が、上にたむろってた奴らを片付けた後だったッス」

今、屋上は春雨高校の奴らの屍累々ッスよ。
見に行きたいんなら止めないッスけど。

『そっか…』

また子ちゃんの話を聞いて、ため息をつく。

そんな場所、見に行きたくはないな…うん。

「ああ、何故か桂なら居たッス」

『いやなんで！？』

アイツこんなとこで何してんの！？

突然の桂の情報に混乱する。

「ホント、何なんスかねアイツ…」

やたら姿を表すからツッコミ疲れたッスよ…と、また子ちゃんはげっそりしていた。

それは私も知りたいわ…
あ、終さん、桂と仲良くなかったっけ？

と終さんのほうを振り返ったら、

「(知らない人だZ)」

と首を横に振られた。目が泳いでるけど。

うんまあ、深くは突っ込まんでおこう。