【銀魂】真選組監察方の紅一点番外編 (ページ16)

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風紀委員の紅一点：ステッカー事件編⑩ ページ16

さて、ステッカー押し売り事件の犯人だが、どうやら春雨高校の生徒であるということが判明したらしい。

奴らは、かぶき町のはずれにある廃ビルを根城にしているようだ。

風紀委員の面々は、以前会議に集った6人でそこに向かったのだった。

────

『なんで周りは晴れてるのに、ここだけ空が鉛色なんですか』

おかしくない？
と、私は空を見上げた。

「曇天ってやつでさァ」

鉛の空、重く垂れ込みっていうでしょ。

沖田さんに言われて、
『それはわかるんですけど…』と頷く。

てか、それ歌詞ね！！「曇天」の歌詞！！
懐かしいなオイ。

私たち風紀委員が居る廃ビルの一角だけ、今にも雷が鳴って雨が降り出しそうな曇り空で、周りは普通に晴れている。

何だ？RPGよろしくラスボスでも居るのか？

「こういうのは、雰囲気が大事なんだろう」

近藤さんの呟きに、何の雰囲気だよ…とツッコミたくなるのを必死に耐えた。

「………ZZZ」

『終さん、これから戦うかもなんですから、寝たらダメですよ？』

またもや立ったまま寝ている終さんの肩を叩いて起こすと、彼はハッとした後にノートに何か書き始めた。

「……(ごめん寝)」

うーん、寝不足なのかな。

「後は俺たちで行く。Aは篠原とここで待機だ」

土方さんが指示を飛ばす。

「周りに奴らの仲間が潜んでるかもしれねぇ。いざとなったら…篠原、コイツを頼むぞ」

「はい！俺が、Aさんをお守りしますっ」

『自分の身くらい自分で守れますよ？』

原田さんも、他の風紀委員を連れて後から来てくれるみたいだし。

なんて話していたら、

突然、ゾワッと言い知れぬ寒気を感じて、私たちは廃ビルのほうを振り返った。

いや、霊感的なやつじゃなくて…もっとこう、人間の生存本能的にヤバいと思う''何か"がコチラに近づいて来ているのがわかったのだ。

よくよく見ると、朱色の髪を三つ編みにした男が、廃ビルから出てくるところだった。

後ろには、どう見てもオッサン……いや、深く突っ込むのはやめとこう…(なんなら、他人のこと言えないし…)、とりあえず2人の男が付き従っている。

ニッコリと笑みを浮かべた三つ編み男の顔には、血がついていた。多分あれ、返り血だ。

『(いや、怖っ！？)』

私は慌てて土方さんの背中に隠れる。

だって、なんかもうオーラがヤバいもん。

顔に血ィついてんのに笑顔とかヤバすぎでしょ！？
どれくらいヤバいかってーと、マジヤバいオーラ放ってるもん。