【銀魂】真選組監察方の紅一点番外編 (ページ15)

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風紀委員の紅一点：ステッカー事件編⑨ ページ15

教室に戻って来るなりぐったりしている私に、篠原君が声をかけてくれる。

「なんかAさんお疲れですね？」

『うん…ちょっとね…』

「まだクッキー残ってますよ。紅茶も入れ直しますね」

そう言って気遣ってくれた彼に、思わず抱きつく。

『篠原君～っ！！』

「わっ！？」

皆、彼みたいに気遣いのできる男だったら良かったのに……いや無理だな。

「あの、Aさんっ…」

嬉しいけど困ります…紅茶、入れ直せないですよ。
と、顔を赤くした篠原君に言われてハッとする。

『ごめん…癒されるからつい…』

「あ～っ、浮気現場を目撃しましたァ～」

河上にチクってやろ～！と言いながら、沖田さんがスマホで写真を撮り始めた。

「あ、それ俺が後で呼び出されてボコられるやつですね」
嫌だなぁ～…と篠原君が苦笑する。

『沖田さんうるさいです』

私の癒しの時間を邪魔しないで下さい。
というか、いつの間に万斉と仲良くなったんですか。

アイツにも、私の(可愛い後輩の)篠原君に、手出ししたら許さないからな！って伝えとかなきゃ。

「それはそれで勘違いされそうな…」

私の呟きが聞こえたのか、篠原君はそう言ってため息をついた。

「オイお前ら、呑気にお喋りしてる場合か。Aはいつまで篠原にくっついてんだ」

土方さんに言われて、『あ、すみません！』と私は慌てて篠原君から離れた。

「まぁまぁ、トシ。風紀委員の皆が仲が良いのはいいことじゃないか。"仲良きことは美しきかな"って言うだろう？」

「いや近藤さん、そういう事じゃねーんだよ…」

しかめっ面で大きくため息をついた土方さんが、
既に戻ってきていた終さんに声をかける。

「終、何かわかったか？」

「………」

返事がない。これは…

「終、どうした？」

「終兄さん？」

近藤さんと沖田さんが、終さんの顔を覗き込む。

「……ZZZ」

静かに寝息が聞こえてきて、ああやっぱり…と思った。

『…寝てますね』

「なんでだよォォォ！！」

土方さんの叫び声が、教室内に響き渡る。

そこはほら、お約束ってことで。