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「はーい、お弁当ですよ」
「ワリーな、兄弟水入らずのとこ邪魔しちまって」
「良いのよ。2人でお花見なんてしても寂しいもの。ね?新ちゃん」
そう。志村姉弟と万事屋一行は、桜満開の公園にお花見をしにきていた。
「お父上が現在の頃は、よく3人桜の下で弾けたものだわ。さ、お食べになって。1段目は私、2段目は雅さんが作ったの。」
「んじゃ。遠慮なく・・・」
重箱の上段を開けるとまず目に入ったのは焦げた何か。期待を込めて蓋を開けた銀時と神楽は目を丸くした。
「なんですかコレは。アート?」
「私、卵焼きしか作れないの。味見してくれた雅さんも美味しいって言ってくれたのよ。」
「雅ぐったりしてるんですけど。軽く口開いたまま放心状態なんですけどォ!!」
雅はここへ来る前に志村家におじゃまして、お弁当を妙と2人で作っていた。
そこで妙に卵焼き(
「卵焼きじゃねーだろ。これは焼けた卵だよ。」
「卵が焼けていれば、それがどんな状態だろうと卵焼きよ。」
「違うよ。これは卵焼きじゃなくて可哀想な卵だよ・・・ うッ!」
「いいから男は黙って食えやァァァ!!」
必死に反論していた銀時の口に妙が暗黒物質を放り込む。神楽は自分に暗示をかけて無理やり頬張っていた。
「暗示かけてまで食べなくていいわァァ!やめときなって。僕のように目が悪くなるよ!」
「だーはっはっ!まったくしょうがないやつらだな。どれ、俺が食べてやるからこのタッパーに入れておきなさい!」
「なにレギュラーみたいな顔して座ってんだ!ゴラァァァ!!どっから湧いて出たァ!」
突如現れたのは、妙のストーカー、近藤勲である。近藤は一瞬の沈黙の後、妙の拳によって沈められた。
「オイオイ。まだストーカー被害に遭ってたのか?町奉行に相談した方がいいって。」
妙にタコ殴りにされている近藤を見ながら銀時は言う。
「いや。あの人が警察らしいんスよ。」
「世も末だな。」
「悪かったな。」
銀時の言葉に返事をしたのは真選組の土方十四郎であった。その後ろには隊士達が並んでいる。
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作者名:p.m. | 作成日時:2024年3月14日 17時