浮世は風【銀魂】 (ページ41)

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「私の弟に手ェ出すな。」

「雅さん！！」

新八が声の方向に顔を向けると、遠くで雅が矢を構えて立っているのを見つけた。

「それ以上動けばお前たちのブツを射る。使い物にならなくなるのは困るだろ？」

「そんなとこから何言ってやがる！怯むな！相手は女だぞ！！」

そう叫んで一歩踏み出した天人の一物のギリギリに矢が三本刺さった。

「的に当てるのは得意なの。もっとやって見せようか？」

雅がそう言うと、天人達は血相を変えて慌てて逃げ出した。しかし、その逃げた先で桂の爆弾の餌食となった。

「遅くなってごめん、新八。」

「ありがとうございます。助けに来てくれて」

新八の手錠を切り落とし、腕を首に巻いて立たせると、そのまま神楽のもとへ向かった。

「雅！来てくれたアルか！」

「怪我は無い？」

「大丈夫アル！」

神楽の手錠も外すと、残るは銀時と陀絡の一騎打ち。
2人は同時に走り出し、得物を振るった。倒れたのは陀絡の方だった。

「あー、ダメっスね。ほんとフラフラして歩けない」

「日浴びすぎてクラクラするヨ。おんぶ！」

「何甘えてんだ、腐れガキ共！誰が1番疲れてっか分かってんのか！？二日酔いの上に身体中ボロボロでも頑張ったんだよ！銀さん！」

「はいはい。よく頑張りましたね」

「オイ、雅！背中叩くなって！痛いの！それ響いてるから！」

「二日酔いに関しては全面的に銀時が悪いでしょーが。」

雅の言葉にぐうの音も出ない銀時。そんな銀時を畳み掛けるように新八が口を開いた。

「僕らだって頭がフラフラなんですからね。」

「そうアルよ！ブラブラアルよ！」

「付き合ってらんねー。俺ァ先帰るからな」

そう言って歩き出したものの、銀時は数メートル進んだところで振り返った。

「いい加減にしろよ、コラァァ！上等だ！おんぶでもなんでもしてやらァ！！」

その言葉を聞くと新八と神楽は勢い良く走り出して、銀時の背中に飛びついた。

銀時に担がれたまま、神楽は雅と手を繋いで欲しいと強請れば、雅は1つ返事で要求をのんだ。

「銀ちゃん。私ラーメン食べたくなってきたヨ！」

「僕は寿司で良いですよ！」

「バカヤロー。誕生日以外にそんなもん食えると思うなよ」

「じゃあ3人で食べに行こうか。銀時には内緒ね？」

「オイ！聞こえてんぞ！」

そんな軽口を叩きながらも、銀時はこの重みを噛み締めていた。