浮世は風【銀魂】 (ページ16)

今日:2 hit、昨日:10 hit、合計:1,103 hit

16 ページ16

*

*

*

「じょっ･･･冗談じゃねーよ！なんでお前みたいなバイオレンスな小娘を･･･」

銀時の言葉を遮るように、神楽は壁を殴った。軽く殴ったように見えたがその壁には亀裂が入り、掲示板が落ちてしまう程の威力だ。

「なんか言ったアルか？」

「言ってません。」

雅の思考停止中の頭でも理解した。これは賑やかな日々になりそうだ、と。

スナックお登勢では掃除機の如くご飯をかき込んでいる神楽がいた。

万事屋の食料を食べ尽くしたからである。

「おかわりヨロシ？」

「てめー何杯目だと思ってんだ。うちは定食屋じゃねーんだっつーの。ここは、酒と健全なエロを嗜む店、オヤジの聖地スナックなんだよ。
そんなに飯食いてェならファミレス行ってお子様ランチでも頼みな！」

「チャラついたおかずに興味ない。たくあんでヨロシ」

「食う割には嗜好が地味だな！オイ！！ちょっと銀時！なんだいこの娘！もう五合も飯食ってるよ！！」

お登勢がそう聞くも、銀時と新八は店の端で俯いて座っていた。
いつも以上に覇気のない二人を見てお登勢も躊躇する。そんな中、神楽は炊飯器にまで手を伸ばしていた。

「お登勢さん、すみません」

「勘弁してくれよ。うちは飯屋じゃないってのに」

雅は夜兎について調べており、たった今帰ってきた所だった。

「夜兎族は高い身体能力を有し、そのエネルギーを確保するためにたくさん食べるみたいなの。だからこれからは食料。確保するためにもっと働かないと･･･」

「万事屋の食料が･･･」

その日、スナックお登勢ではご飯を咀嚼する音とため息ばかりが響いていたのだった。