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14□鼓動をからめて ページ29

「………」

「…………」






ただただ気まずい雰囲気が、体育館に立ち込める
いや、気まずいというか、なんというか。
変な噂を聞いてしまったからなのか、なんなのか。

彼は無心でただ1人サーブ練習をしてて
私はただその光景を眺めるだけで。

ただ、相変わらず良いコースを打つから
やっぱ凄いなぁって思った。







「石川くん、Aのこと好きなんだって!両想いじゃん!」







そんな友達の言葉が頭をぐるぐる駆け巡る

そんなわけない、なんて思ったけど
一度意識してしまうとその考えしか頭をよぎらなくて
目の前のことに集中できず、練習を諦めた
だって、ネットには引っかかるしアウトになるし。


いつだって完璧な石川くんが、
私みたいな凡人好きになるわけない。
ファンだってたくさんいる石川くんが私のことなんて…






「…っ」





ボールを取りに来た石川くんと目が合う
というか、私が石川くんを見てるせいなのだけれども。

彼もすぐパッと目を逸らしてしまうから、何だか居た堪れない気分だ。

こんな時に限って、何で誰も来ないんだろう。
何でいつも通り早く来てしまったんだろう、なんて後悔した。



私も石川くんも練習の虫というか
誰よりも早く体育館に入って練習するのが日課で。

あの話を聞くまではそんなに会話はなくとも
話しながら練習をしてたわけなんだけど

私があまりにも黙ってるせいか彼も私に話しかけることはなくて。
ぼーっと手元のボールを見つめた。






「…練習しないの?」

「え?」






ボールを拾い始めた石川くんが、ぼそっと私に話しかける。






「A、今日なんか変だよ」

「いや、普通じゃないかな?」

「………」

「…………」






なんとも言えないような顔で私を見る石川くん
彼の真っ直ぐな目が私を視界に捉えてる
そんなこと考えると心臓がドキドキしっぱなしで









14□鼓動をからめて2→←11□想いが弾ける刹那に3



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noranekosan(プロフ) - リリさん» リリさんはじめまして。ありがとうございます!私もリリさんのお話読ませて頂いてたので嬉しいです。゚(っ゚´ω` ゚c)゚。今後も頑張って書いていくので、是非とも見ていってください!! (2019年11月12日 22時) (レス) id: e3a91e1b0b (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませていただいています。のらねこさん(とお呼びしていいのでしょうか?)の書かれるお話どれも素敵なので、これからも楽しみにしています(*´˘`*) (2019年11月12日 16時) (レス) id: 3f90fe2b5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:as | 作成日時:2019年11月2日 2時

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