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8□帰る場所は君の隣 ページ12

束の間の休み
シーズンも少し落ち着いたところで日本に帰ってきた。
1週間なら休んでいいぞ、
そう監督から許可をもらって空港に降り立つ。
帰国に着いた人たちやこれから飛び立っていく人たちで相変わらずごった返してる。

タクシーに乗り込んで、目的地である住所を伝える。
別に電車でもいいんだけど、いますぐ会いたいから。

ドイツよりも時間が進んでる日本
もうすでに暗い街並みを見ながらぼーっと外を眺める






今回は内緒で来た。
帰るなんて一言も伝えずに。
だから今頃彼女は俺が日本にいることは知らない。
だって、いま仕事終わったよー、なんていつもの連絡が来たから。
まさも練習頑張ってね!なんてスタンプ付きで送られてきたメッセージに癒される。

ちらりと手元にある袋を見つめながら、今か今かと待ち遠しかった。





彼女の家に着いて、鞄からキーケースを取り出す。
合鍵持ってていいよ、そう言ってくれた2年前
だけどやっぱり今日は使うのやめよう。
急に鍵なんか開いたら、とんでもなくびっくりするだろうから。

少し高鳴る胸を抑えながら、インターホンに手を伸ばした。





「はーい」




せっかくカメラもあるのに、マイクもあるのに直に彼女の声が聞こえたことに少し頭を抱えた。
いつもちゃんと確認してから出てって伝えてるのに。
急に男が襲ってきたらどうすんの、そう言った俺に
私なんかを襲う人なんかいないよって言った彼女
それからもずーっと言いつけてはいるんだけど全く聞いてくれてないみたい。

ガチャリと鍵を開ける音が聞こえて、
扉が開いた瞬間にドアをガシッと掴めば、驚いた彼女と目が合った。





「ほら、もうこれで襲われるな」

「まさ!」





パッとすぐ笑顔になった彼女はなんでいるの?いつ帰ってきたの?なんて俺に質問攻めしてくる。
まさだ、そう言って俺の胸に抱きついてくるA。
…会いたかった、そう呟く彼女ににやける口元は抑えられないけど
それよりも先に言わなければならない。





「俺の話聞いてる?」

「え?」

「だから。インターホン鳴った時は、」

「ちゃんと確認してから出る」

「わかってるんじゃん」

「うん、ごめんね」





謝ってはいるけど、それに相反して顔はニコニコしてて
絶対悪びれてないだろうけど、許してしまう俺がそこにはいて。





「充電」

「ここで?寒いんだから中入りなよ」

「…いなくて寂しいんだから俺も」

「珍しく素直ですね、将洋くん」

「うるさいな」








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noranekosan(プロフ) - リリさん» リリさんはじめまして。ありがとうございます!私もリリさんのお話読ませて頂いてたので嬉しいです。゚(っ゚´ω` ゚c)゚。今後も頑張って書いていくので、是非とも見ていってください!! (2019年11月12日 22時) (レス) id: e3a91e1b0b (このIDを非表示/違反報告)
リリ(プロフ) - はじめまして。いつも楽しく読ませていただいています。のらねこさん(とお呼びしていいのでしょうか?)の書かれるお話どれも素敵なので、これからも楽しみにしています(*´˘`*) (2019年11月12日 16時) (レス) id: 3f90fe2b5d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:as | 作成日時:2019年11月2日 2時

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