幼馴染みの特権【牛島若利】2

66 ページ28

「及川さんなら貴方に尽くすってことですか?」


いや、違う




「影山飛雄、それは違うよ
若利は及川の"セッター"っていう立場だけを評価してるんじゃあない
お前なら同じ部活だったし分かるだろ?
チームの最大値を引き出す能力
簡単に言えば"チームの力を最大まで引き出す"」




俺の言葉に続けて若利は





「チームの最大値が低ければそれまで
高ければ高いだけ引き出す」









「それが奴の能力だ」






.







「例えば、さ
優秀な苗があるとすると、それに見合った環境が必要なわけね
及川のチームにはその環境が無いんだよ」






そう言うと10番は俺に聞く







「…その環境って
悪いって意味ですか?」






「?悪い」






ん、?
やべ、怒らせたかな
めっちゃユラユラと揺れてますけど
同じくらいの身長なのにめっちゃ怖い


若利は俺を少し引き寄せる、
ありがとうござんます






「……環境……ヤセた土地ってことですか」







「ああ」




若利が俺の代わりに答える









.









「＿＿青城が"ヤセた土地"なら
俺達はコンクリートか何かですかね??」






正直に言おう
怖い、めちゃくちゃ怖い
同じくらいの身長なのだが、めちゃくちゃ怖い
俺も負けじと少し前へ出るが若利に遮られる









「何か気に障ったのなら謝るが
青葉城西に負け県内の決勝にも残れない者が何を言ってもどうとも思えん」








若利、それ火に油

すぐ謝ろうか、ごめんなさいって素直に言おうぜ









すると後ろから音が響く


そこにいた俺達はすぐにその音に反応し、音のなる後ろを見ると大学生が打ったボールがこちらへ飛んでくる





「すまん、取ってくれー!」






若利は少し飛びキャッチしようとする








が、









「え、」









.









たっか

67→←65

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す