幼馴染みの特権【牛島若利】2

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「遅かったな」



そう言って若利は俺の隣で歩きながら10番と影山飛雄に話しかける





「俺は烏野高校の影山です
偵察してもいいですか」




若利と俺は止まる
若利は物理的に止まる、俺は思考回路が止まる
偵察ってこんなにオープンにしちゃうっけ

そう思いながら俺は二人を見る







「カゲヤマ、、、北川第一か」






「ハイ
白鳥沢を受けて落ちました」






「一般だったんだ?
けっこうすごいって聞いてるんだけど」






推薦がきませんでした と曇った表情で答える

なんかごめん、受験に関しては本当になんかごめん






すると若利は口を開く






「＿＿＿＿だろうな」







「中学のお前の試合を見た覚えがある」






ああ、一緒にいたね
俺はほとんど覚えてないけど







「エースに尽くせないセッターはウチには要らない」









影山飛雄は少し顔が強ばった

そんなこともお構い無しに10番は言う




「ﾌﾞﾊｯ
確かにお前"尽くす"って感じじゃねーな!」






10番は一般から見た影山飛雄を知らないのだろう
観客席から観たバレーと実際に行って観るバレーは相当違う









「でもそれだと"大王様"もだよな
県内最強セッターなのにな」






「及川さんは今関係無ェだろ!」







大王様?ピンク色の一頭身のモンスターとよく喧嘩するあの大王様か?

て、及川のことだろう
県内最強セッターといえばアイツだ




その言葉に若利は反応する







「及川…奴は優秀な選手だ
ウチへ来るべきだった」








その言葉、絶対に白布の前で言うなよ

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