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T目線
「お前、やっぱり女じゃないか。」
俺はそう言った。
「お…お前…何を…」
綾賭は呆然と立ち尽くし、口をあんぐりと開けていた。
もちろん、根拠がないわけではない。
簡単だ、見ればわかる。
「俺は…男だって…」
「いや、まぁ…別に男になりたいって言うなら否定はしねぇけど…」
生物学的にな。
「俺が…女な訳…」
「なら聞くが…」
俺は少し笑って続ける。
「お前、喉仏ないじゃん。」
俺がそういうと、綾賭はハッとしたように首元に手を当てた。
「しまっ…!?マフラー…が…!?」
綾賭が顔を青くしている。
「…戦いに集中した方がいいぞ?」
「あ…そ、そう…だな。」
綾賭は深呼吸をした。
深呼吸なんてしてる暇はないが…
俺はその隙をつき、綾賭の背後をとる。
「…なっ」
そして綾賭の背を切りつけた。
「ぐ…あ…」
綾賭はフラフラとよろめく。
そしてなんとか地を踏みしめる。
「お、俺は…ゲホッ」
綾賭は赤いモノを吐き出し、少し苦しそうな顔をした。
…なんかスイッチが入った気がする。
「いいな。」
「…は?」
「そんな顔するなって、はは」
俺は笑った。
「これからが楽しい時間なんだからな。」
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作者名:紅楓 | 作成日時:2021年8月8日 20時