幸福と幻滅C�将� ページ26
自分をすり潰して生きてきた。
ずっと誰かが私じゃない他の誰かと歩んでいく、その横顔だけを見てきた。
いつだって、自由な誰かが羨ましくて、
私はなぜ何処にも行けないんだろうと人を妬んでばかりいたくせに、
「どうしたの」と聞かれれば、その答えはいつだって「どうもしない」。
そのうち、薄っぺらな自分が怖くなって、
それならば「普通」でいいと願うけれど、結局それも叶わなくて。
けれどそれでも執着して、結局限界だと、もう私は歩けないと叫んで、座り込んで。
ただ、救われたいと、そう思った。
いっそのこと、私を嫌ってくれればよかったのに。
自分の中に創りあげたオリジナルの偶像に縋る余裕などなくなってしまうほどに、
際限なんかない、地獄に落としてくれればよかったのにと、
出来もしない罵りを、脳みその中でだけ投げかけて。
下手糞な笑顔でやり過ごす日々に疲れてしまえば、
きっとあなたが救ってくれなかったら、私は、
私はきっと加害者になってしまっていたから。
堕落していくのが怖いのなら、いっそのこともう這い上がれないほどに
理性を沈めて、日常を壊して。
幸福の意味など知らず、
誰かとの幸せを願うばかりで、その日々を想像すらできなかった私に。
ただ、死にたいとばかり思っていた私の前に、
幸福を光で照らしてくれた貴方に、
私は強烈に憧れた。
独特の世界観だとか、何かを悟ったような言葉だとか、
それっぽい正論ばかりを並べて、自分を守ってばっかりで。
でも、憧れてしまったから。
・
・
・
・
『だから僕と、幸せを見つけよう。大好きやで、紗世ちゃん。愛してる。』
「っはい、光さん。・・・私も、私も愛してます。」
・
幸せになりたい。
そうなんだ。本当は、ただそれだけ。
シンプルな、私のただ一つの願い事。
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MIEL(プロフ) - 詩音さん» コメントありがとうございます。こんなコメントを頂けると、本当に作者冥利に尽きるなぁと思います。詩音さんの救われた、というコメントで私もとても救われます。これからもどうぞよろしくお願いします。 (2018年5月22日 20時) (
レス) id: 3de9d8857b (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - この小説が私の気持ちを代わりに言ってくれていて共感しすぎて泣きました。この作品を作ってくださってありがとうございます。読んで心が軽くなりました。救われました。おまけも楽しみにしています。 (2018年5月21日 20時) (レス) id: dd54738304 (このIDを非表示/違反報告)
MIEL(プロフ) - 猫さん» 返信遅くなって申し訳ありません！そのようなコメントを頂けると、とても励みになります！ありがとうございます！ (2018年3月27日 10時) (レス) id: 3de9d8857b (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 共感してつい泣いてしまいました。貴方様の文章力ならびに発想力凄く憧れました。これからもどうか頑張ってください。 (2018年3月20日 2時) (レス) id: e2df0854b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MIEL | 作者ホームページ：
作成日時：2017年11月16日 19時
