幸福と幻滅C�将� ページ22
光・side
多分、もう大丈夫かな。
『何があったの？』
今日初めて聞く、何があったの。
僕の感触ではもう聞いても大丈夫だと思うんだけど、
一秒、二秒、三秒。
ゆっくり刻まれていく沈黙に、大丈夫じゃなかったのか？と不安になってきたその時
「実は、・・・」
以前のように、ゆっくりとした分かりやすい話し方だった。
この子はそうだ。出会ったときからこうだった。
多分混乱しているのに、怖いはずなのに、
その話し方は、いつも冷静だった。
いつも順序立てて、かみ砕いて、ゆっくりと見ず知らずの人間が聞いても分かりやすいように。
そのおかげで僕は離れていたって、君の置かれている状況が分かった。
たまになぞかけみたいな質問も聞かれるけど、
それだって君がきちんと僕に理解できるようにもともと話していてくれていたから、
君が望んでいる答えを返せたんだ。
「それで、・・・それでっ。」
『うん。大丈夫、落ち着いて。聞いてるよ。
聞いてるからね。』
「でも私はっ！！変わりたいと、思っていたのに！」
落ち着いて。という僕の言葉の後に、叫ぶように発された彼女の声に少し驚く。
こんなことは初めてだ。
はぁ、吐息が一つ漏れる。その音は震えていたような気がする。
あぁ、これは・・・。
他人を責める声じゃない。
彼女は父親を責めている訳じゃないのだ。
つまりこれは、これは。
彼女が自分に向けて発している、嫌悪をあらわにした、言葉なのだ。
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MIEL(プロフ) - 詩音さん» コメントありがとうございます。こんなコメントを頂けると、本当に作者冥利に尽きるなぁと思います。詩音さんの救われた、というコメントで私もとても救われます。これからもどうぞよろしくお願いします。 (2018年5月22日 20時) (
レス) id: 3de9d8857b (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - この小説が私の気持ちを代わりに言ってくれていて共感しすぎて泣きました。この作品を作ってくださってありがとうございます。読んで心が軽くなりました。救われました。おまけも楽しみにしています。 (2018年5月21日 20時) (レス) id: dd54738304 (このIDを非表示/違反報告)
MIEL(プロフ) - 猫さん» 返信遅くなって申し訳ありません！そのようなコメントを頂けると、とても励みになります！ありがとうございます！ (2018年3月27日 10時) (レス) id: 3de9d8857b (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - 共感してつい泣いてしまいました。貴方様の文章力ならびに発想力凄く憧れました。これからもどうか頑張ってください。 (2018年3月20日 2時) (レス) id: e2df0854b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MIEL | 作者ホームページ：
作成日時：2017年11月16日 19時
