〜メカクシ団〜夏の記憶､時の目

08.カゲロウデイズ ページ10

〜8月15日〜

現在、12:30頃…

何もすることがない

だから君と駄弁っていた

？「暑いね…なぁ“ヒヨリ”」

ヒヨリ「うん。“ヒビヤ”もそう思う?」

ヒビヤ「うん。アイス食べた時とか涼しくなるからいいけど。これが“夏”の魅力みたいなものかな」

ヒヨリ「でもまぁ、夏は嫌いだな」

ヒビヤ「…え?」

ヒヨリ「ううん、何でもない!!…あ!!」

ヒビヤ「あ〜あ…」

君が抱えてた猫が逃げ出した

猫の後を追いかける君……

ヒビヤ「…」

飛び込んでしまったのは…

ヒビヤ「…待て、ヒヨリ!!」

ヒヨリ「…え?」

『赤に変わった信号機』

キィィイイイイイーー!!!

ヒビヤ「…あ…あぁ…」

勢いよく通ったトラックが、君をひいた

そして鳴き叫ぶ…

目の前には真っ赤な血…

ヒビヤ「……うっ」

君の香りと血の独特な匂いが混ざりあって、むせ返った

ヒビヤ「ヒヨリ…ヒヨリィィ!!!」

？「…」

ヒビヤ「…!」

嘘みたいな……

あれは、【陽炎】?

こっちを見てわらってる…

……夏の水色をかき回すような蝉の声

……全て眩んだ………。
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怖い………

こんな未来があるの……??

かわいそうだよ…

血………

助けることができない…

どこで起きてるかわからない…

この現場は、実際に見てないから

血……

怖い…

これだ…

むせ返るような…

眩むような…

いつもこれを私に見せてくる…

だから血は嫌いなんだ…

？「い…お〜い!!」

A「…」

静かに目を開ける……

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