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入れ替わりの朝 in日本 ページ5

「__、マリー」


 声が聞こえる。


「…。起きるっす」


 シュバルツでも、ゲルブでもない、男の人の声。

 この声は……、誰?

 ゆっくりと目を開けると、そこには ______


  見たことのない男の人がいた。


「おはようっす、マリー」


 微笑みかけてくるその顔に、敵意はない。

 でも・・・


「____ッ」

「どうしたっす?」


 そう言いながらその人は、こちらに手を伸ばしてきた。


「キャ――――――ッ!!」


 こみあげてくる恐怖に、叫びださずにはいられなかった。


○○○


「キャーーーーーーッ!!」


 この声は、マリーの______!?

 みんなの朝食を作っていた最中だったが、それを中断して、マリーの部屋に急いで向かった。
 
 扉を、バンッと勢いよく開けた。


「マリー!どうしたん…」


 目の前の景色に、俺は驚かれずにはいられなかった。

 そこには、マリーとセトの2人がいた。

 2人はとても仲がいい。

 なのに今は……。


「セト、お前何やったんだ!?」


 マリーはベットの上で、目に涙をためて怯えている。

 セトはそれを、ただおろおろと見ているだけだ。


「わ、わかんないっす。いつも通りに起こしたら、突然悲鳴を上げて…」


 いつもは頼りになるセトは、マリーのことになると全く頼りにならない。

 思わずため息が出る。


「マリー、どうしたんだ?セトに何かやられたのか?」


 マリーは少しだけ落ち着いたようで、俺の方をちらりと見たが、すぐに視線を落としてしまった。


「あの・・・」

「なんだ?」


 マリーは、1つ深呼吸をしてから、意を決したように言い放った。


「わたし、『まりー』という名前ではないのですけど…?」


.

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作者名:菜の葉 | 作成日時:2016年11月5日 11時

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