エレオノーレが入れ替わる前 ページ2
「ゲルブ」
声がしたと思ったら、お嬢様だった。
少し暗い表情をしているお嬢様は、いつも通り綺麗だった。
「なんですか、お嬢様」
「わたし______。…いえっ、何でもありませんわ。おやすみなさい、ゲルブ」
お嬢様は、俺に聞いてほしいことがあったんじゃないか。
シュテラさまやローテじゃなく、俺に…。
そう思ったが、お嬢様に声をかける勇気が、なぜか出なかった。
○○○
(言えませんわ。わたしが・・・。ホテルベルリンの総帥であることをやめたい、だなんて…)
エレオノーレは悩んでいた。
自分を、ホテルベルリンの総帥として、優しくしてくれる人はたくさんいる。
でも、『友達』は自分にいるのか、と。
総帥という立場上、砕けた口調で話かけてくれる人は、ヤウズくらいだ。
エレオノーレは、それが嫌だった。
(同じくらいの年齢の子と一緒に過ごしたいと思うのは、わたしのわがままでしょうか)
柔らかなベッドに腰を掛けたエレオノーレは、ゆっくりと窓の外を見上げた。
美しい星空に、青い瞳が見開かれる。
「綺麗…」
視界の端に、流れ星が見えた。
ルビーのように輝くそれに、エレオノーレは心の中でつぶやく。
『友達が欲しい』と
ラッキーカラー
あずきいろ
今日のあなたにラッキーな能力は…?
目を覚ます能力
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作者名:菜の葉 | 作成日時:2016年11月5日 11時