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マリーが入れ替わる前 ページ1

リビングのテレビを囲む4人。画面には、美しいドイツの街並みが映っている。


「わぁ〜。セト、綺麗だねっ!」

「ホントっすね、マリー」

「いつか、みんなで旅行とか行ってみたいよねー」

「ああ。だが、行くとしたら国内だな。外国なんかだと、金が掛かりすぎる」

「そっかぁ」


 現実的なキドの言葉。その言葉に、少しシュンとしながらマリーは頷く。


「大丈夫っすよ。今は外国でも、1人10万円以下から行けるツアーとかもあるし!」

「まあ?マリーがどうしても行きたいって言うなら、セトと一緒に行けば?2人ならそんなに掛かんないだろうし」

「パァァァ)みんなも行ってみたいけど、セトと2人でも行ってみたい!」

「ニッコリ)じゃあ、行く時までにドイツ語、勉強しとかなくちゃっすね!」

「うん!…(ホワァ」


 マリーは、元気に返事をしたかと思うと、小さくあくびをした。


「マリー、もう遅いから寝るっす」

「うん…。おやすみなさい、みんな」

「おやすみっす、マリー」

「おやすみ」

「おやすみなさい」


 マリーは、ドアをガチャリと開け、部屋に入った。


○○○


「ふあぁ。もう眠いや」

 マリーは、ベッドに入ると、そのピンク色の目をゆっくりと閉じる。

 そのとき、ふと窓の外を見ると、満面の星空が広がっていた。

「わぁ。綺麗…」

 しばらく見つめていると、視界の端に、流れ星がみえた。

 まるで、野イチゴのように真っ赤なそれを、マリーは美しいと思った。

「お願い事しなきゃ!え〜と」

 急いで考えたマリーは、とっさに今さっきの会話を思い出した。


「いつか、ドイツに行きたい!」


 その思いに答えたように、赤い光がまたたいた。

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作者名:菜の葉 | 作成日時:2016年11月5日 11時

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