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やがて午前の授業が終わり、生徒達は購買に買いに行ったり、食堂で食べに行ったり、机を人数分つけ合ってグループで談笑しながらお弁当を食べたりし始める。
「なぁ。お前って友達いねぇの?」
机に置いていた教科書達をロッカーに片し、鞄から薄ピンクと白のギンガムチェックの布に包まれたお弁当箱を取り出していると、隣で携帯を弄っていた翔馬がそう言った。
「す、ストレートに言うね……。まぁ、いないけど」
「じゃあ、一緒に食うか」
いつもなら昼になると、翔馬はお弁当箱を持って教室を出ていく。だから、私がいつも1人で昼食を食べている事など知る由もないのだ。
「え……いいの?」
「あぁ。でもお前、変な噂されたら嫌とか言ってたか。……ちょっとついて来い」
「わ、ちょっ、どこに行くの!?」
「行けば分かるから」
そう言った翔馬はお弁当箱を持ってもう片方の手で私の手首を掴む。
そして半ば強引にお弁当箱を持った私が連れられた場所は。
「……ここって、屋上?」
「そ。ここなら人来ねぇから」
「でも……立ち入り禁止じゃなかったっけ。何で屋上のドアの鍵持ってるの?」
「放課後に職員室から持ち出してきた」
いや、返してあげようよ。先生探してるって。
口角を上げてそう言う翔馬に心の中でそう言っていると、屋上の出入口に突っ立っていた私の手首を掴んで屋上の中にさらに入っていき、背もたれつきの青いベンチに翔馬は座った。
「……ん。隣、座れば」
「うん、ありがと」
翔馬は自身の左側をとんとんと軽く叩いてそう言い、私は翔馬の左側に座る。そして翔馬はお弁当箱を包んでいる黒と赤のチェックの布の結び目を解き、お弁当箱を取り出して自分の右側にふたを置いて食べ始めた。
私も同じように布の結び目を解いてお弁当を食べようとする。
「……ん?」
いつもなら簡単に解けるんだけど……今日はお母さん、頑丈に結んだな。にしても解けない……。
1人でごそごそとしていると、翔馬がトマトをつまもうとした所で箸を止める。
「……何してんの」
「え? いや、ちょっとこれが解けなくて……」
「ふーん。頑張れ」
「えぇっ」
た、助けてくれないのか……。
そう思って再び頑丈に結ばれたその結び目を解きにかかろうとした時。
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作者名:天ノ川夜月 | 作成日時:2018年3月21日 14時