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「お前、色々と危なっかしいから。今だって後ろから車来てんのに気づいてなかっただろ」
「えっ、……車!?」
深い溜め息をついて呆れ顔でそう言う翔馬。私がそう言って私達が向かっていた方を見ると、白いワゴン車が走っている。
車通ってたんだ……じゃあ翔馬は、私を抱きしめたんじゃなくて守ってくれたんだ。でもわざわざ抱きしめなくてもいいと思うんだけど……。
「ったく……もう少し周りを見ろよ、お前は」
「うっ、いったぁ〜……! もう少し手加減してよ!」
翔馬は私と目の高さを合わせてそう言うと、デコピンを繰り出してきた。
私がジンジンと痛む額を片手で押さえ、そう言っていると翔馬は意地悪な笑みを浮かべて「やだね。……ほら、ゲーセン行くぞ」と言い、再び私の手を引っ張っていった。
そして話をしながら歩いていると、私達はゲームセンターに到着し、中に入る。
「……あっ、あれやってみたい」
「ん? ……なに、マスコット?」
翔馬と中を見てまわっていた私は、繋いでいない方の手で指をさしてそう言う。
私が指をさしたものはクレーンゲームで、その中には茶色いクマが星やハートを持っている手のひらサイズの小さなマスコットが沢山ある。
「これ可愛いし、取りやすそうだからやろうかな」
そう言って私は鞄から財布を取り出し、中から1000円札を出して両替機で100円に崩して、投入口に1枚入れる。
そうすると楽しげな音楽が流れ始め、私はボタンを順番に押してハートを持っているクマのマスコットの真上にクレーンが来るようにする。
「ここで、こう……で、こう……っと!」
「……独り言大きい」
「黙ってて!」
ぼそっと呟く翔馬にそう言いながら、私は操作をして3と書かれたボタンを押してクレーンを下降させた。
そうするとクレーンは私の狙っていたクマを掴み、ゆっくりと上昇していく。するとそのクマの左足には、星を持ったもう1つのクマのボールチェーンが引っかかってついてきている。
『えっ』
それに驚いた私と翔馬が声を揃えて言うと同時に、景品の取り出し口に2つのクマのマスコットが音もなく落ちてきた。
「うっそ……」
「こんな事って、あるんだね……」
またぽつりと呟く翔馬の横で、私は2つのクマのマスコットを手に取ってそう言う。
2つ取れたのはいいんだけど……私はハートの方を取りたかっただけだし、星の方どうしよう……。あっ、そうだ!
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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8
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作者名:天ノ川夜月 | 作成日時:2018年2月28日 22時