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そう呟きながら、私はパンを飲み込んでまた1口食べる。
喉に詰まりそうで怖いけど……授業中にお腹が鳴るのは嫌だし。
そして私は再びパンを飲み込み、十字路を通過しようとした。
『――ぅわっ』
右から歩いてきていた人とぶつかり、私は弾き飛ばされて昨日と同じように腰を強打する。
朝から今日は散々な目に遭うなぁ……遅刻しそうになってるし小指をテーブルの脚にぶつけるし、今だって人とぶつかるし。
「いったた……って、あ!」
「……ん、A?」
「翔馬!?」
そう思いながら腰を摩ってぶつかった人の方を見ると、そこには眠そうに欠伸をしている翔馬がいた。
まさか翔馬に会うとは……てか、何で遅刻しそうなのに普通に歩いてるのこの人は。
「何してんの、パンなんかくわえて」
「や、だって遅刻しそうだけど朝食は食べないとと思って……ていうか、何呑気に歩いてるの!? 遅刻しちゃうよ!!」
「やっぱ真面目な奴だな、お前。俺は別に遅刻してもいいから歩くけど。……そうだ」
そう言った翔馬はにやりと笑みを浮かべ、スカートについたごみを手で払いながら立ち上がる私を見る。
「ついでだから、今日一緒に学校サボるか」
「えっ……!? わっ、ちょっと……!!」
そう言った翔馬は、私が持っていた食べかけのトーストを奪って食べ、私の手を握って学校方向とは違う方向の道を歩き始めた。
サ、サボるって……!? てか私のパン食べられたし、何か手繋いでる!?
「……で、どこ行く?」
「え、と……じゃあ、とりあえずゲームセンター?」
「何で疑問形なの」
トーストを飲み込んだ翔馬にそう尋ねられ、サボった事など一度もない私はどう言ったらいいか分からず、そう答えると翔馬はそう言ってふっと笑う。
あ、翔馬が笑った……。そういえば翔馬の笑顔、初めて見たな。いつもニヤッと笑ったり、苦笑いだったり、呆れ顔だったり……あと、無表情か。いっつも感情を顔に出さないな、翔馬って。
「……っていうか、いつまで手繋いでなきゃいけないの?」
「え? ずっと。だってお前、逃げそうだから」
「にげっ……!? そ、そんな事しな――」
「それに」
そこまで言ったかと思うと、翔馬が繋いでる方の手を自分の方へと引っ張り、そっと私の背中に手を添えて抱き寄せてきた。
「……っ!?」
え、何で私翔馬に抱きしめられてるの……!? と、とりあえず離れよう……って、離れられない!?
そうやって私が硬直していると、翔馬が身体をようやく離した。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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作者名:天ノ川夜月 | 作成日時:2018年2月28日 22時