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「A、お前今レベルいくつ?」

「今? 授業中沢山やってたから、12だよ」

「ふーん。俺は今10」

「え!? は、早くない!?」

そう言う翔馬の携帯の画面を覗いてみると、文乃ちゃんは赤いマフラーを巻いてセーラー服を着て革靴を履いていて、レベルのゲージの左上を見ると、翔馬の言う通り「Lv.10」と表示されていた。

「まぁな。授業中ずっと頭撫でてたし。……てか、そろそろチャイム鳴るし戻るか」

「ん、そうだね」

そう言って私と翔馬は布で包まれたお弁当箱を片手に持ち、一緒に教室へ向かう。そして教室に到着し、私は5時間目の授業の準備をして席に座り、胸ポケットから携帯を取り出してゲームを再開した。
ちなみに1時間目からずっとゲームをしていた為、今所持している赤いコインは200枚から390枚にまで増えている。

『桃湖、その……服を買ってきてくれねぇか?』

伸太郎くんの左上に表示されていたモコモコの吹き出しをタップするとそう言われ、私は右上のショップのボタンをタップし、服のアイコンをタップする。
……あ、この服着せてみようかな。
画面をスクロールしていてふと目に留まったその服を、私は赤いコインを50枚消費して買った。
そして戻るボタンをタップして育成ルームに戻り、着替えのアイコンをタップして今買った服を選んで伸太郎くんの左上に現れた紙袋を指でスライドさせて伸太郎くんに渡す。

『お、服買ってきてくれたのか。ありがとな、今着替えてくる。……の、覗いたりすんじゃねぇぞ』

そう言う伸太郎くんは、隣に出現したカーテンの向こうへてくてくと歩いていく。
そうしていると授業開始のチャイムが鳴り、生徒達は席につき始める。

「はい、クラス委員号令かけてー」

その声と同時に先生が教室に入ってきて、生徒達は席を立つ。そして礼をして再び席につき、私は机の下で育成ゲームの続きをする。
画面を見ると、伸太郎くんは既に渡した服に着替え終えていた。

『何か懐かしい気分になるな……』

その服を着ているくんは、自分が着ている服を見てそう言う。
私が伸太郎くんに買って渡した服。それは黒い学ランだ。
やっぱり、思った通り似合ってる。

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設定タグ:カゲプロ , 育成ゲーム , シンタロー   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:天ノ川夜月 | 作成日時:2018年2月28日 22時

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