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「――い、……おい。起きろ、A」
誰かが、私のことを……呼んでる? 誰だろう……まだ眠っていたいのに。
そんな事を思いながら閉じていた目をゆっくりと開けると、目の前には翔馬の整った顔があった。
「っうわああぁぁ!!」
顔の近さに驚き、私は思わずそう叫んで顔を上げる。と同時に私はバランスを崩して椅子から落ちてしまい、腰を強打してしまった。
「なにもそんなに驚く事ないだろ。つか、いつまで寝てんだよ」
「へ……?」
苦笑しながらそう言う翔馬を、私は腰を摩りながら見上げる。
そして教室の中を見まわすと他の生徒や先生の姿はなく、窓から空を見ると既に太陽は沈んでいて漆黒の闇に染まっていた。
その闇の中には点々と無数の光の粒が散りばめられていて、三日月が白く輝いている。
「えっと……5時間目からずっと? てか、もう5時過ぎてる!?」
「いーから、早く帰るぞ。6時になったら校門に鍵かけられちまうんだから」
「う、うん……って、あれ?」
「? 何だよ」
私はそう言って頷き、立ち上がろうとする。が、身体が思うように動かないのだ。そんな私を、翔馬は鞄を肩にかけて腕を組んで見ている。
「う、動けない……腰が、抜けて……っ」
「…………」
そう言って翔馬に両手を伸ばす私を、翔馬は呆れ顔で見ていた。そして数秒その状況が続き、沈黙を破ったのは翔馬だった。
「……しょうがねぇな、……ん。乗れ」
「……え」
「ほら、早く乗れよ」
そう翔馬が言ったかと思うと、私の前に来て私に背を向け、その場にしゃがみ込む。
ま、まさか……いや、まさかね?
「で、でも――」
「あーもう、早くしろって言ってるだろ!」
「え、ちょっ……わっ!?」
なかなか私が動かなくていらついたのか、翔馬は舌打ちをして大きめの声でそう言い、私を背負う。
って私、おんぶされてる……!? それに、その……私がスカート折ってて短いから、翔馬の手が直接太ももの裏に触れてるんですけど……。
「荷物持って家まで送ってやるから。案内しろ」
「……っ、うん」
そう言って私が翔馬の肩を両手でしっかりと掴まると、翔馬は私の机の横にかけてあった鞄を持ち、教室を出た。
そして下駄箱に到着し、革靴に履き替えた翔馬は私の履いている上履きを脱がしてそれを靴箱に入れ、革靴を取り出して私に履かせて再び歩き始め、学校を出る。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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作者名:天ノ川夜月 x他1人 | 作成日時:2018年2月13日 18時