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「……翔、馬?」

「え、なに? つか、いきなり呼び捨て?」

「あっ、ごめん! その、そこに書いてあったから読んだだけで、特に意味はなくて……っ」

心の中で呟いたはずが、うっかり口に出てしまった。それを聞いた男子――堀井翔馬くんは、画面から私へと目線を移し、頭上にハテナマークを浮かべている。
あぁ、またやっちゃった……『思った事が口に出ちゃう』癖。中学の時からずっとこうなんだよね……さっきも口に出ちゃって翔馬くんに聞かれちゃったし。

「いーよ別に。俺もお前の事、Aって呼ぶから。翔馬って呼べば」

「え……あ、うん」

い、いいんだ……? 恋人でもないのにお互いに名前で呼びあうって大丈夫かな……変な噂が流れたりとかしないかな?

「……あ、何か部屋に入った」

翔馬は情報を打ち込み終えて確認ボタンをタップしたらしく、画面を覗いてみると翔馬の言っている通り背景が育成ルームになっていた。
そして画面右下にはクロハがいて、吹き出しが現れる。その文章を翔馬は頬杖をつきながら読んでいく。

「……今、どこまで進んだ?」

「この中から1つ選べっていう所」

そう言って翔馬は、私に携帯の画面を見せる。翔馬は何を選ぶんだろう……そう思っていると、不意に翔馬が口を開く。

「……よし、決めた。これにする」

「! ど、どれ?」

「水色」

私がそう言いながら翔馬の携帯を覗き込むと、翔馬は小さな紫の箱をタップした。
ていうか、指細っ……ピアノとかやってそう。
そう思いながら画面を見ていると箱のふたが開き、キラキラと光って画面全体が白に染まる。そして霧のようなものが晴れると、箱の前には白いTシャツに水色の半ズボン姿の、茶髪でムッとした表情の男の子が、こちらを見つめていた。

『もう……何なのさ、こんな狭くて暗い所に閉じ込めて……。……あ、初めまして……僕は雨宮響也。よろしく』

「……何か、大人びてるな」

「うん、大人びてるね」

そう言った響也くんを見て、私達はそう呟く。するとクロハが再び現れ、ごはんを与えるように指示してきた。

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設定タグ:カゲプロ , 育成ゲーム , モモ   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:雨ノ宮心音 | 作成日時:2018年1月27日 22時

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