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「ねぇ翔馬、これあげる」

「は? ……何で?」

「な、何でってその……あれだよ、一緒に遊んだ記念!」

「いや、まだお前しか遊んでねぇだろ」

「ゔっ。それはそう、だけど……っ」

私が差し出した星を持っているクマを受け取り、さらっとそうツッコむ翔馬。

「これから沢山遊ぶってこと!! いっ、いいから貰って!」

「はいはい、分かった分かった。……ありがとな」

軽く溜め息をついてマスコットを眺めた後、翔馬はそう言って私の方を向いてふっと笑う。その瞬間、私の胸はドキンと高鳴った。
……って、『ドキン』? 何で?? ……まぁ、いっか。
そう思っていると私は再び翔馬に手を繋がれ、その後はカフェや公園など色々な場所に行って時間を潰したのだった。
そして陽が沈み始めた頃、翔馬は私を家まで送ってくれた。

「……その、今日はありがとね。楽しかった!」

「俺も。……じゃあ、また明日な」

「うん、ばいばい」

私がそう言って手を振ると翔馬は小さく笑って、手を振って今来た道を歩いていった。
それを見送った私は家に入って革靴を脱ぎ、自室に行って私服に着替えてブレザーの胸ポケットに入れていた携帯を取り出し、ベッドに寝転がってゲームを開く。

「さってと、何しようかな……」

昼に公園で翔馬と一緒に黙々と育成し続けてたらレベルは19、赤いコインは610枚にまで増えたしな……何か買ってあげよう。
そう思いながら私はショップのアイコンをタップして服のアイコンをタップし、画面をスクロールさせながら色とりどりの服を見ていく。

「……あ、これにしよう!」

そう言った私はその服をタップし、赤いコインを60枚使って購入して育成ルームに戻り、着替えのアイコンをタップして今買った服と靴をタップし、文乃ちゃんの左上に現れた紙袋を文乃ちゃんの胸元にスライドさせる。

『あっ、服買ってきてくれたの!? ありがと〜、今着替えてくるね! ……覗いたりしちゃダメだよ?』

いつも通りのこのセリフを言った文乃ちゃんは、隣に出現したカーテンの奥へと向かっていく。
そしてそれから数十秒後、もぞもぞと動いていたカーテンが止まって文乃ちゃんが出てきた。

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設定タグ:カゲプロ , 育成ゲーム , アヤノ   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:天ノ川夜月 | 作成日時:2018年12月16日 18時

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