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「……あの、翔馬」
「なに?」
「もう、降ろしていいよ? 私、重いだろうし……」
「や、全然重くないけど。てか、空気背負ってるみたい。ちゃんと食べてんの?」
「たっ、食べてるよ!」
そんな会話をしながら、私達は街灯の照らす静寂に包まれている夜道を歩いていく。
「で、次どっち? 右?」
「うん、その次にまた右に曲がってまっすぐ」
翔馬はT字路で立ち止まり、そう尋ねてきた。私がそう言うと、翔馬は再び歩き始める。
何か、翔馬の背中落ち着くな。また眠くなってきちゃった……って、ダメダメ! そろそろ家に着くんだから……!
そう思いながら翔馬の背中に身体をぴったりとつけて眠気と闘っていたが、電車に乗っているような心地よい揺れと翔馬の温もりで眠気が勝り、私は再び眠りに落ちたのだった。
「……ん、ふぁあ……」
次に目が覚めたのは、自室のベッドだった。
掛け布団を捲って起き上がると、着ていたはずの襟元に紺色のラインが入った青いブレザーはクローゼットの横にある壁掛けのハンガーに掛けられていた。
私はクリーム色のセーターと裾に紺色のラインが入った青いスカートに白いYシャツ姿で、黄色と橙色のボーダー柄のネクタイは、ブレザーが掛けられているハンガーに掛けられている。
「翔馬が、部屋まで運んでブレザー脱がしてくれたのかな……」
そう呟きながら、頭がまだぼうっとしている私はベッドの横にある小さなテーブルに置かれた時計に目を向ける。
すると、短い針は8を指して長い針は1を指していた。
「って、8時過ぎてる!? いいい急がなきゃ――いだっ!!」
驚きでようやくはっきりと目が覚めた私がベッドから出て朝食を食べにリビングへ行こうとした時、私はテーブルの脚に小指をぶつけてしまい、メデューサに目を合わされて石にでもされたかのように、私はその場で固まった。
「ったいなぁ〜もう!!」
数秒経ってそう叫び、今度こそリビングに行って朝食であるトーストをくわえ、再び自室に行ってネクタイを締めてブレザーを着た私は、携帯が胸ポケットに入っている事を確認して鞄を肩に掛け、家を出てトーストを食べながら走る。
何かこういうの、少女漫画にあるよね……遅刻しそうになった主人公がパンくわえながら走ってたら曲がり角でイケメンとぶつかって一目惚れ……って。
「ま、実際にある訳っ……ないけどね」
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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8
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作者名:天ノ川夜月 | 作成日時:2018年12月16日 18時