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「うそうそ。貸してみ」
翔馬はクスッと笑ってそう言い、自分のお弁当箱を右側に置いて私の膝の上に置いていたお弁当箱を膝の上に置き、結び目を解き始める。
そしてそれから10秒もしないうちに、固く結ばれていた結び目は解けた。
「ん、解けた」
「!! あっ、ありがとう……!」
私にお弁当箱と布を渡す翔馬に、私はそう言う。
さすがだな……指が細くて羨ましい。
そう思いながらお弁当箱のふたを自分の左側に置き、私はようやく昼食を食べ始める。
「ん、そういえば……翔馬はいつもここで食べてるの?」
「あぁ、雨の日は食堂か屋上に行く時にある階段に座って食べてる。Aは?」
今は6月だから、2ヶ月間ここで食べてたんだ……。
「私? 4月からずっと教室で食べてたよ。てか、翔馬も……友達いないの?」
「いや、いるけど」
だよね……翔馬はかっこいい方だし、友達なんて沢山いるに決まってるよね。ていう事は、クラスの中で友達いないのって私だけか……。
そう思いながらしみじみと玉子焼きを食べていると、翔馬が続けてこう言う。
「Aが」
「っ!? っげほ、けほっ……んえ!? 私!?」
「そうだけど。なに、もしかして俺の事友達って思ってなかったの?」
翔馬の口から出た私の名前に驚き、飲み込もうとした玉子焼きが変な所に行ってむせてしまった。
そして私が自分の顔を指差して翔馬にそう尋ねると、翔馬は平然とした顔でそう言って白いご飯を口に運ぶ。
「や、そうじゃない、けど……まさか私だとは思ってなかったから」
「だって、ゲーム友達じゃん」
「……私以外とは、友達にならないの?」
「そのつもり。友達増えると色々面倒くさいし。集団で協力し合って何かすんのとかも面倒くさいから。だから必要以上に友達は作らない」
「……私も翔馬と同じ考えだよ。人に合わせるの面倒くさいって思ってる」
「俺ら、結構気が合うのかもな」
「ん、そうだね」
「……てか、早く弁当食べてゲームしようぜ」
「う、うん」
そっか……私の事、友達って思ってくれてたんだ。
そう思っていると、私は自然と口角が上がっていた。そして昼食を食べ終えた私達は、携帯を取り出してゲームを開き、キャラの育成を始める。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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8
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作者名:天ノ川夜月 | 作成日時:2018年12月16日 18時