9セーブ 嬉しいハガキ ページ9
内容はこうだ。フェムゲに囚われていたせいで中学、高校に通えなかった10代の若者に対して、無償で学校教育の機会を与えるという知らせ。
だが最も注目するべきところは別にある。
「貴方に指定された高校は、私立夢ノ咲学院プロデュース科…。夢ノ咲………」
ゆめのさき。夢ノ咲学院。
「ええっ！？夢ノ咲学院んんんん！！？」
なぜ僕がこんなに驚いて、まるでムンクのようになっているのか解説しよう！
まず、僕に指定された高校「夢ノ咲学院」とは、海沿いにある私立高校。新設されたプロデュース科を含めた六つの学科が設置されていて、主に芸能界で活躍する人のための学校だ。
六つの科とは、一般生徒が通う「普通科」、歌唱を中心に学ぶ「声楽科」、俳優や女優を目指す「演劇科」、様々な楽器に精通する「音楽科」と、そこから塀と受付に仕切られた先にある「プロデュース科」と「アイドル科」を指す。
アイドル科とはその名の通りアイドルを育成するための学科で、アイドル科に所属する生徒達は夢を叶えてアイドルとなるため、日夜修練に励んでいる。
プロデュース科は、そんなアイドルが全力を出し切って活躍できるように尽力するプロデューサーを育成する学科らしい。これは僕も知らなかったのだけれど。
プロデュース科には、既に一人だけ生徒が属しているらしい。唯一の女子生徒である彼女は、今年の春に転校したばかりで右も左も分からない状態から始めた、と書いてある。
「せめて受け入れ態勢を整えてから転校させてあげればいいのに…」
今は夏だから、少しはプロデューサーとしての仕事や新しい学校に慣れてきた頃なのだろうか。
そして！そんな学科がある有名校夢ノ咲学院には、「彼」がいるのだ。
「ああ、零さん！零さんのいる学校に通えるなんて…！」
かつてフェームゲーム・イン・ファンタジーに世界に閉じ込められてから、僕は一度も零さんの姿を生で見ていない。勿論、眠っている間に発売されたCDや雑誌は全部集めたけれど。
零さんはきっと僕のことを憶えていないだろう。
噂で聞く限り、零さんは夢ノ咲学院に進学してからの4年間で少し変わったらしい。生徒会長をしたり留学に行ったりと毎日を過ごしていたらしいが、ある日突然性格が変わったように、話し方も一人称も変えてしまったそうだ。
「…それでも、零さんは零さんだよ」
手の中に持ったはがきに、少しだけ皺が寄った。
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月夜 黒輝(プロフ) - この後がどうなったのか気になる...！都合のいい時でいいので更新再開を希望します！ (2019年3月19日 18時) (
レス) id: 7066949ba0 (このIDを非表示/違反報告)
ショウ(プロフ) - 更新停止中なのがすごく惜しいです是非作者様のペースで良いので新お待ちしてます！ (2018年10月3日 8時) (レス) id: 217b90edc7 (このIDを非表示/違反報告)
ケト。(プロフ) - 更新停止中なのが残念です……再開されるの楽しみにしてます、頑張ってください！ (2018年6月25日 9時) (レス) id: 522e4f0622 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：西 | 作成日時：2018年1月20日 0時
